2021年5月20日時点:日本の新型コロナ感染状況とGDPへの影響まとめ

今回は日本の新型コロナ感染状況とGDPへの影響について簡単に整理します。

 

新規感染者数と死亡者数

以下のグラフは、日本の新型コロナの新規感染者数と死亡者数の推移になります。

 

以下、こちらで利用している新型コロナに関するデータはFlevy.comから取得できますので、詳細が気になる方はチェックしてみてください。

 

日別の感染者数と死亡者数

出所:Flevy.com

日本では現在第4波の最中で、第3波と第4波の山の高さは同程度となっています。

5/20時点での累計感染者数は70.6万人、死亡者数は12,000人です。

 

累計の感染者数と死亡者数

出所:Flevy.com

GDPへの影響とリーマンショックとの比較

以下は、リーマンショック時(2008年第3四半期から2009年第3四半期)とコロナショック時(2020年第1四半期から2021年第1四半期)の前年同期比季節調整済み実質GDP成長率とその寄与度を表しています。

四半期GDP成長率の概念について詳しくはこちらをご覧ください。

関連記事

今回はアフリカから逸れます。日本の話です。 2021年2月15日に日本の2020年第4四半期と、2020年のGDPの速報が発表されました。 簡単に速報値の内容と、四半期GDPの概念について紹介したいと思います。 2020年のG[…]

 

前年同期比季節調整済み実質GDP成長率と寄与度

出所:内閣府

リーマンショックと今回のコロナショックでは最も影響の大きい四半期に限ればコロナショックの方が大きい落ち込みをしています。

ただし、リーマンショックはコロナショックに比べ回復に時間がかかっています。

 

また、リーマンショックとコロナショックではマイナス成長の要因は異なり、リーマンショックでは輸出や民間設備投資の影響が大きかったのに対し、今回のコロナショックでは民間最終消費支出(いわゆる家計消費)が最大要因となっています。

 

コロナショックでは政府最終消費支出を増やすことによりGDPへプラスの効果をもたらしていますが、第2-3回緊急事態宣言時の2021年第1四半期では再度民間最終消費支出のマイナス幅が増加し、GDP成長率が前期に比べ悪化しています。

 

GDPの見通し

国際通貨基金(IMF)は世界各国の経済見通しについて”World Economic Outlook Reports (WEO)”にて年に数回公表しています。

日本における見通しの過去からの変化は以下のようになっています。

 

IMFのGDPの見通しとその変遷

%20182019202020212022
日本WEO: Oct 20190.80.9(p)0.5(p)
WEO: Jan 20201.0(e)0.7(p)0.5(p)
WEO: Apr 20200.7-5.2(p)3.0(p)
WEO: Jun 20200.7-5.8(p)2.4(p)
WEO: Oct 20200.7-5.3(p)2.3(p)
WEO: Jan 20210.3-5.1(e)3.1(p)2.4(p)
WEO: Apr 2021-4.83.3(p)2.5(p)

注:(e)は推計、(p)は予測を表す。違いは公表時点で対象期間が終わっているかどうかで決まります。

コロナショック前の2019年10月レポートでは2020年の経済成長の見通しは、0.5%でしたが、2020年6月レポートでは-5.8%まで大幅に下方修正されています。その後は2021年1月レポートでは-5.1%まで僅かに上昇修正されました。

 

実績としては、2021年2月15日に内閣府より公表された2020年速報値では-4.8%です。

IMFの2021年4月レポートによると2021年は3.3%を見込まれています。

 

さいごに

今回はFlevy.comを参考としていますが、このほかにもロイターのCOVID-19 Global trackerや札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門の人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移は有益な情報を提供してくれていますので、気になる方はご覧ください。

最新情報をチェックしよう!