今回はマダガスカルにおける児童労働についてデータを整理します。
ただし、児童労働の問題には就学の問題も関連することが多いため、はじめに就学率についてデータを確認します。
マダガスカルの基本情報
マダガスカルはアフリカ南東部沖に浮かぶ島国です。位置については地図のとおりです。
アフリカ大陸に比べると小さく見えますが、日本の1.6倍の国土を持つ大きい国です。
マダガスカルの人口は2016年時点で約2,500万人で、アフリカでは比較的人口の多い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度とアフリカでも低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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就学率(教育)
以下はアフリカ諸国および参考国(米国、中国)における就学率を表します。(括弧内の数字はデータの年次を表します。)
なお、ここでの就学率は初等教育対象年齢人口に対する初等教育に入学した人口をします。
参考国である米国と中国の就学率はそれぞれ、95.6%と89.3%に対し、マダガスカルは96.9%と両国よりも高い水準にあり、アフリカ諸国の中では10番目となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
次に、就学率の推移をみます。
1970年代前半の就学率は65%ほどでしたが、2000年代半ば以降上昇し、直近では97%とほぼすべての子供に教育が行き届く状況となっています。
また、男女格差については1970年代では10パーセントポイントほどありましたが、1990年以降はほぼ男女間で差はなくなっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、人口に占める学歴構成については、以下の時期で取り上げています。
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児童就業率(児童労働)
次に、児童の就業率について確認します。
以下のグラフは7-14歳人口に占める就業率を表しており、左図は全体、中図は男子、右図は女子の就業率のランキングとなっています。
マダガスカルの全体の児童就業率は26%でデータの確認できる44か国中29番目となっています。
また、男子は28%で44か国中29番目、女子は24%で28番目と男女ともに標準的な水準となっており、児童の3-4人に1人は労働をおこなっている状況となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
以下の左図は児童労働における産業別構成比を表しており、右図では就業形態別の構成比を表します。
産業の構成比を見ると、農業が88%とほぼ大部分を占めており、それに次ぐサービス業は8%であり、製造業は僅か数%となっています。
また雇用形態を見ると、雇用者は10%ほどありますが、大部分は家族従業者が占めています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、一国全体の労働構成については以下の記事を参照ください。
今回はマダガスカルの労働関連のデータについて簡単に整理します。 マダガスカルの基本情報 マダガスカルはアフリカ南東部沖に浮かぶ島国です。位置については地図のとおりです。 アフリカ大陸に比べると小さく見えますが、[…]
児童の平均労働時間
次に、児童の平均労働時間ついて確認します。
以下のグラフは労働に従事している(就業している)児童の週平均労働時間のランキングを示しており、左図は非就学児童の平均労働時間、右図は就学も就業もしている児童の平均労働時間を示しています。
左図の非就学の就業児童の労働時間では、マダガスカルは35時間と(データの確認できる)アフリカの41か国中5番目となっています。
同様に、右図の就学している就業児童の労働時間は18時間であり(データの確認できる)アフリカの41か国中9番目となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
男女別の労働時間をみると、非就学の就業児童の労働時間では男子が37時間に対し女子は30時間と男子の方が長く、一方で就学している就業児童の労働時間においても男子は17時間、女子は18時間と女子の方が長くなっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
さいごに
今回は就学率や児童の就業率や労働時間について整理しましたが、児童労働の賃金データや産業別の児童労働時間などのデータについては確認することができませでした。