コンゴ共和国の貿易:貿易収支、輸出・輸入の構成について。主な輸出品や輸入品は何?

今回はコンゴ共和国の貿易について整理します。

なお関税率については以下の記事を参照ください。

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コンゴ共和国の基本情報

コンゴ共和国は中央アフリカの国で、コンゴ民主共和国、ガボン、赤道ギニア、カメルーン、中央アフリカ共和国の5か国と接しています。

 

コンゴ共和国の人口は2016年時点で約500万人で、アフリカでは比較的小さな国です。

一方、一人あたりGDPは2016年時点でアフリカ平均5,000ドルよりも高い6,300ドルです。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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貿易収支の推移

以下は1970年以降のコンゴ共和国のGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアを表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

コンゴ共和国は1970年代および1980年代は-50%を超える大幅な貿易赤字でしたが、1990年に貿易黒字に転じたあとは、比較的貿易黒字となる年次が多く、1990年以降に限れば平均+3%の貿易収支となっています。

直近の2019年では+22%の貿易黒字となっています。

 

輸出の構成

以下は2007年以降のコンゴ共和国の輸出品の構成です。

主な輸出は2. 鉱物と8. 機械であり、それぞれ2019年では84%と7%を占めています。

出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。

 

以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。

先の2. 鉱物と8. 機械は主に27.石油天然ガス等と89.船舶を指しています。また、近年では44.木材・木製品の輸出もわずかに増加傾向にあります。

 

出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。

 

輸入の構成

一方、輸入の構成については以下のようになっています。

2019年の輸入の構成は、8.機械が43%、1.農林水産品・食料品が26%、3.化学製品が13%、残りが19%です。

出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。

 

輸入品の具体的な商品を見ますと、先ほどの8.機械の多くは89.船舶がしめています。コンゴ共和国は輸出でも船舶の輸出が多いですが、恐らく国内で船舶の製造はほとんど行っていないでしょうから、輸入した船舶が輸出へ流れているものと思われます。

(なぜ船舶の貿易が盛んなのか原因をつかめておりません。わかり次第こちらに追記したいと思います。)

 

出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。

 

 

貿易相手国の構成

次に貿易相手国を確認します。以下は2019年の貿易相手シェアを表します。

 

最大の輸出相手国は中国で輸出全体の60%を占めており、中国に強く依存する経済構造と言えます。

 

出所:UN comtrade. 

 

一方、輸入相手国は多岐にわたり、1位はフランスで全体の15%、2位は中国の11%です。

上位10カ国では65%、上位30カ国では93%を占めます。

 

さいごに

コンゴ共和国の貿易の特徴は以下のとおりです。

  • 1970年代および1980年代は-50%を超える大幅な貿易赤字だが、1990年以降は平均+3%の貿易黒字
  • 主な輸出品は石油天然ガスと船舶
  • 主な輸入品は船舶
  • 主な輸出相手国は中国で全体の60%を占める。最大の輸入相手国はフランスで、2位は中国

以上となります。引き続き他の国についても調べています。

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