アルジェリアのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はアルジェリアのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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アルジェリアの基本情報

 

アルジェリアの人口は2016年時点で約4,000万人とアフリカでは9番目に人口が多い国です。

人口密度は17人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分以下です。

 

一方、一人あたりGDPは2016年時点で15,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルと3倍ほどあり、アフリカでは6番目に高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は激しく、現地通貨建てのGDPデフレータとは変動も異なっており、この期間での両者の相関係数は0.27であり、ほぼ相間があるとは言えません。

 

アルジェリアでは1990年代前半には年率で40%以上のインフレを経験しており、また、それ以外の期間においても平均して10-20%と高い物価上昇が継続しています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代では輸出品の物価上昇が20%以上と著しく上昇しています。

1980年代には、前期の反動もあり、輸出品の物価上昇は限定的であり、その他の項目で10%以上の物価上昇となっています。

さらに、1990年代は物価上昇が強まりいずれの項目で15%以上の上昇となっています。

2000年代、2010年代には全体の物価上昇は5%前後に落ち着き、それぞれの項目においてもおおよそ10%以下となっています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

 

1970年代は鉱業・電ガス水が20%と他の産業に比べて高いデフレータの上昇となっています。

1980年代にはいずれの産業も10%前後のデフレータの上昇でしたが、続く1990年代は農林水産業を除くいずれの産業においてデフレータが加速してます。

2000年代、2010年代は鉱業・電ガス水を除き、いずれの産業も5%前後のデフレータとなっており、鉱業・電ガス水については、2000年代の資源高にともない、10%近い上昇でしたが、2010年代にはマイナスに転じています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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