リビアのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はリビアのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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リビアの基本情報

リビアは地中海に接する北アフリカの国です。

リビアの人口は2016年時点で約600万人とアフリカでは平均よりも人口の少ない国です。

人口密度は3.6人/km2とアフリカでは下から2番目に低い国です。

一人あたりGDPは2016年時点で14,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3倍近くあり、アフリカでは7番目に一人当たりGDPが高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータは他のアフリカ諸国と異なり、近似した推移とはなっていません。

一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は現地通貨建てのGDPデフレータと似た変動となっており、この期間での両者の相関係数は0.640とやや高い相間が見られます。

 

物価変動そのものについては基本的に変動は大きく、1970年代には年率30%超のインフレの時期がある一方で、2000年代には-30%ほどのデフレの時期もありました。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代はすべての消費項目で2桁のデフレータ成長となっておりGDPデフレータとしても14%ほどとなっています。ただしCPIはなぜか6%と家計消費とは乖離しています。

1980年代なると家計消費を除き、各デフレータはほぼ0%成長と前期から一気に減速しています。なおCPIはこの期間においても家計消費とは乖離が見られます。

1990年代では、各消費項目はほぼ5%程度のデフレータとなっており、1980年代からインフレ率は上昇し、さらに2000年代には投資や貿易を中心に高いデフレータ成長率のもとGDPデフレータは11%まで加速しています。

なお、2010年代についてはアラブの春の影響かデータの精度が悪化しており、各消費項目のデフレータは横並びとなっています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関して、

1970年代ではほとんどの産業で2桁以上のデフレータ成長を遂げています。

しかし、1980年代になると鉱業・電ガス水や建設業のデフレータがマイナスとなったことで、GDPデフレータ全体は0%まで減速しています。

1990年代ではマイナスデフレータは解消され、全産業で5%ほどと安定したデフレータ成長であったのに対し、2000年代は鉱業・電ガス水や建設業のデフレータが2桁成長と加速したことで、全産業でみると11%まで加速しています。

2010年代には、前期でインフレ率が高かった鉱業・電ガス水は0%ほどに低減したことで、他の産業のデフレータでは2桁以上のデフレータ成長の産業も見られるものの、全体としては6%ほどに落ち着いています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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