ニジェールのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はニジェールのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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ニジェールの基本情報

ニジェールはアフリカ中央部に位置しており、7か国に囲まれる内陸の国です。

ニジェールの人口は2016年時点で2,100万人とアフリカでは比較的人口の多い国です。

一方、人口密度は16人/km2とアフリカ平均40人/km2の半分以下の人口密度の高い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1/5程度であり、アフリカでは5番目に低い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

ニジェールのGDPデフレータとCPI

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

一方、ドル建てのGDPデフレータと現地通貨建てのGDPデフレータでは変動は異なり、この期間での両者の相関係数は0.25とほぼ無相間となっています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

ニジェールの最終消費項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代では、各最終消費項目のデフレータは2桁成長となっており、特に投資と輸出は20%近い変化率となっています。

しかし、1980年代以降では急激にデフレータ変化率は減速し、特に1980年代の貿易のデフレータはほぼ0%となっています。

1990年代では政府消費と投資のデフレータは5%以上あるものの、他の最終消費項目のデフレータは3%程度と低くなっています。

さらに、2000年代になると各消費項目のデフレータは3-4%ほど、2010年代になると1-2%ほどと徐々にデフレータの変化率は減速しています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

ニジェールの産業別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関して、

1970年代の産業別デフレータは農林水産業は20%近い高い変化率である一方で、製造業は唯一デフレータはマイナス変化率となっています。

さらに1980年代においても製造業のデフレータはマイナス変化であり、加えて農林水産業と鉱業・電ガス水もマイナス変化となっています。

1990年代になると、前期もマイナスであった鉱業・電ガス水に加えてその他サービスもマイナス変化となっています。

2000年代ではマイナス変化の産業はなくなり、前期でマイナスであった鉱業・電ガス水は反発して10%近い変化率となっています。

しかし、2010年代では再び鉱業・電ガス水のデフレータはマイナス変化へ転じています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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