チュニジアのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はチュニジアのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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チュニジアの基本情報

チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。

 

チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

チュニジアのデフレータとCPI

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータは確認できる期間においてはほぼ近似した推移となっています。

(CPIは1984年以前では利用できません。)

また、ドル建てのGDPデフレータと現地通貨建てのGDPデフレータでは変動は異なり、この期間での両者の相関係数は0.26とあまり相関は見られません。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

チュニジアの最終需要デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代では消費項目は7%程であったの対し、投資と貿易財は2桁変化しており、その結果GDPデフレータは8%ほどとなっています。

1980年代においても同様の傾向は見られますが、輸出のみ消費項目程度まで水準が下がっており、GDPデフレータもその結果やや減速しています。

1990年代では投資は引き続き比較的高いデフレータ変化でしたが、輸入も消費項目程度まで減速し、GDPデフレータ全体は4.5%まで減速しています。

さらに2000年代では、貿易はやや上昇するものの、その他の消費項目は3%程度となりますが、

2010年代ではその他の消費項目のデフレータは再び上昇し始め、GDPデフレータは5%程度まで上昇しています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

チュニジアの産業デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関して、

1970年代は産業ごとに変化率は異なり、鉱業、建設業が非常に高い一方で、それ以外は3-5%程度と比較的低くなっています。

1980年代になると産業間の差は小さくなり、おおよそ7-9%程度となりますが、

1990年代と2000年代では傾向は異なり、鉱業のみ2桁近い高い変化率に対し、それ以外の産業は3%程度と低くなっています。

2010年代では運輸のみほぼゼロ変化率ですが、それ以外は3-6%と狭い範囲で収束しています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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