米国のCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回は参考国として米国のCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2022年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

米国のGDPデフレータとCPI

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

また、1983-2021年では比較的物価変動は落ち着いてきたが、2022年では7%ほどと急激にインフレに転じています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

米国の最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代では輸入の物価上昇は10%以上あり、インフレの主な要因となっていました。

1980年代には、輸入品も含め全体的にインフレは落ち着き特にCPIは3.7%と前期の8.4%から半減しています。

1990年代以降になると物価上昇はさらに抑制され、およそ2%ほどと物価上昇をうまくコントロールしている状況と言えます。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

米国の産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

 

1970年代は鉱業・電ガス水や建設業のデフレータが最も高い一方で、他の産業は全般的に低い成長率となっています。

一方、1980年代にはサービス業がもっとも高いインフレ率となっており、農業についてはほぼ0%と抑制されています。

1990年代以降においてはさらにデフレータは抑制されており、期間ごとに産業間に差異は見られますが、比較的建設業はデフレータは大きく、運輸・通信は小さくなっています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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