ナイジェリアの就業状況:就業率、失業率、職業構成比、労働生産性を確認

今回はナイジェリアの労働関連のデータについて簡単に整理します。

 

ナイジェリアの基本情報

ナイジェリアはカメルーン、チャド、ニジェール、ベナンを隣国にもつ西アフリカの国です。

 

ナイジェリアの人口は2016年時点で約1.9億人とアフリカではもっとも人口が多い国です。

また人口密度は202人/km2とアフリカ平均の40人/km2の5倍以上であり、アフリカでは7番目に人口密度の高い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で5,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルとほぼ同程度となっています。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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ナイジェリアの就業率と失業率、ニート率

就業率

以下は1991年から2019年における男女別の就業率の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

ナイジェリアの就業率は2019年では50%ほどとなっています。

ただし、男性は57%に対し、女性は45%と12ポイントの開きがあり、女性の就業は男性に比べ遅れていると言えそうです。

 

失業率

次に失業率について確認します。以下は2019年における失業率のランキングを示します。

2019年におけるナイジェリアの失業率は8.5%とアフリカでは中位に位置します。

なお、もっとも失業率の高い国は南アフリカの28.5%です。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

次に1991年から2019年における男女別の失業率の推移について確認します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

失業率は男女ともに類似した推移をしており、2013年から2019年で失業率は4%から8%程度に上昇しています。

 

ニート率

次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート(NEET:Not in Education, Employment or Training)について確認します。

以下は2005年から2019年におけるニート率を示しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

日本ではニート率は3-4%程度でしたが、ナイジェリアのニート率は30%ほどと非常に高くなっています。

ナイジェリアの失業率はあまり高くないのは、ニート率の高さに起因していると思われます。

 

ナイジェリアの労働生産性と就業構成

労働生産性

以下は2019年における労働生産性(GDP/就業者数)のランキングを示します。

ナイジェリアの労働生産性は17,800ドルであり、アフリカでは14番目に高い国です。

なお、日本の労働生産性は77,500ドル、アフリカでもっとも労働生産性の高いガボンの55,700ドルであり、これらの国に比べるとナイジェリアはまだ1/3~1/4程度の水準にあります。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

就業構成

以下は1991年から2019年における労働生産性(GDP/就業者数)と就業者全体に占める女性シェアを示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ナイジェリアの労働生産性は過去28年間で労働生産性は10,000ドルから17,800ドルと80%ほど上昇しています。

ただし、就業者全体に占める女性シェアは2010年以降減少しており、この期間の労働生産性も上昇傾向から減少傾向へ転じています。

 

職業構成

以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ナイジェリアでは7.技能工及び関連職業の従事者のシェアが拡大傾向にある一方で、6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者や3.技師、準専門職は減少傾向にあります。

 

 

以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

ナイジェリアでは男性労働者の半分はいまだに賃金が比較的低い6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者を職業としています。

一方で、女性の6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者1.管理職は3割程度であり、比較的専門性の高い3.技師、准専門職も3割を占めており、

そのため2010年以降女性の労働シェアが減少したことが労働生産性の悪化に起因したもののと思われます。

 

さいごに

ナイジェリアの労働についてまとめると以下のとおりです。

  • 就業率は50%程度
  • 失業率は8.5%
  • 労働生産性は17,800ドル
  • 就業者全体に占める女性シェアは44%

引き続き他の国についても調べていきます。

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