ボツワナにおけるCO2排出とエネルギー消費について

CO2

今回はボツワナのCO2・エネルギーのデータについて簡単に整理します。

 

ボツワナの基本情報

ボツワナはアフリカ南部に位置する内陸の国です。

ボツワナの人口は2016年時点で約200万人と人口の少ない国です。

人口密度は4人/km2とアフリカ平均の40人/km2の1/10でアフリカでは3番目に人口密度の低い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で16,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3倍以上です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

関連記事

ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。   アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]

また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

関連記事

今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。   GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]

 

CO2排出量とエネルギー消費の国際比較

CO2排出量の国際比較

以下は2016年における全世界に占めるアフリカ諸国のCO2排出量のシェアを表しています。

ボツワナはアフリカでは20番目に多くCo2を排出しており、世界全体の0.019%程を占めています。

なお、日本は3.4%程のCO2を排出しており、それはアフリカ全体(4.1%)の8割ほどに相当します。

出所:World Development Indicators

 

再生可能エネルギーの国際比較

以下は2015年におけ最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギー比率のランキングを示します。

アフリカで20番目に多くCO2を排出していたボツワナの再生可能エネルギー比率は29%とアフリカでは42番目に高いシェアとなっています。

なお日本は6%ほど、全世界平均は18%ほどとなっています。

(アフリカ諸国の再生可能エネルギー比率が高いのは導入しやすい水力発電やバイオ燃料とその廃棄物(Biofuel and Waste)に依存する場合が多いことと、そもそもエネルギー消費量が少なく水力発電による発電やバイオ燃料とその廃棄物で十分エネルギー供給が間に合っているためだと考えられます。)

出所:World Development Indicators

 

電力アクセス率の国際比較

以下はアフリカ諸国の2016年における電力アクセス率(Access to electricity)を表します。

ボツワナの電力アクセス率は70%です。

(なお、アフリカの54か国のうち電力アクセス率が100%の国は7か国に留まっています。)

出所:World Development Indicators

 

GDPあたりCO2排出量の国際比較

以下はアフリカ諸国の2016年におけるGDPあたりCO2排出量を表します。

GDPあたりCO2排出量は数字が大きくなるにつれて一単位あたりの生産を行うのに多くのCO2を必要とすることをを示します。

例えば、全世界のGDPあたりCO2排出量は0.29kg/US$であるのに対し、日本は0.22kg/US$と日本は世界平均に比べ生産時に排出CO2が2割ほど少ないこと示します。

 

ボツワナのGDPあたりCO2排出量は0.17kg/US$であり、アフリカでは平均的なGDPあたりCO2排出量と言えます。

(なお、アフリカ諸国のGDPあたりCO2排出量が総じて低いのは、エネルギーの投入をあまり必要としない農業などの産業が多く、また再生可能エネルギーの比率が高いことなどが要因となっています。)

出所:World Development Indicators

 

CO2排出量とエネルギー消費量の推移

CO2排出量の推移

以下は1960年以降におけるボツワナおよび日本の一人あたりCO2排出量とGDPあたりCO2排出量を表します。

ボツワナの一人あたりCO2排出量は1980年の1.0トン/人から、直近では3.0トン/人となっています。

それでも、その水準は日本の1960年代の水準に留まっています。

 

GDPあたりCO2排出量は1990年以降では2.0kg/US$程度からやや改善(減少)傾向にあります。

なお、日本も1990年以降では0.28kg/US$から0.22kg/US$と2割ほどの改善を実現しています。

出所:World Development Indicators

 

エネルギー消費量の推移

以下はボツワナおよび日本の1960年以降における一人当たりエネルギー消費量と一人当たりの電力消費量の推移を示しています。

ボツワナの一人当たりのエネルギー消費量は1980年から直近にかけて1.5倍ほどに増加しています。

 

一方、電力消費量は1980年以降では3倍以上へ増加しています。

それでも、直近のボツワナの一人当たりのエネルギー消費量と電力消費は日本の1970年代の水準に留まっています。

出所:World Development Indicators

 

再生可能エネルギー比率の推移

最後に再生可能エネルギー比率について確認します。

ボツワナのエネルギーの再生可能エネルギーは1990年以降では50%から30%まで減少しています。

 

一方、日本はエネルギー環境政策により、2010年以降では4%から6%まで上昇しております。

出所:World Development Indicators

さいごに

今回はCO2排出量、再生可能エネルギー比率に関して

比較可能な直近の年次におけるアフリカ諸国および日本との国際比較および、日本との時系列比較を行いました。

引き続き他の国についても調べていきます。

最新情報をチェックしよう!