今回はアフリカ諸国との比較参考国として中国のCO2・エネルギーのデータについて簡単に整理します。
CO2排出量とエネルギー消費の国際比較
CO2排出量の国際比較
以下は2019年における全世界に占めるアフリカ諸国および参考国のCO2排出量のシェアを表しています。
中国は全世界の31%ほどのCO2を排出しており世界でもっともCO2を排出しています。
それはアフリカ全体(4%)に比べて8倍ほどに相当し、日本と比べて10倍に相当します。
出所:World Development Indicators, December 2022.
再生可能エネルギーの国際比較
以下は2019年における最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギー比率のランキングを示します。
中国の再生可能エネルギー比率は14%ほどであり、全世界平均(2015年値)をやや下回っている一方で、日本と比べると6ポイントほど高い水準となっています。
また、アフリカ諸国と比べると、45位のカーボベルデと46位のチュニジアの間に位置します。
(アフリカ諸国の再生可能エネルギー比率が高いのは導入しやすい水力発電やバイオ燃料とその廃棄物(Biofuel and Waste)に依存する場合が多いことと、そもそもエネルギー消費量が少なく水力発電による発電やバイオ燃料とその廃棄物で十分エネルギー供給が間に合っているためだと考えられます。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
電力アクセス率の国際比較
以下は2020年における電力アクセス率(Access to electricity)を表します。
中国の電力アクセス率は日本や米国と同様に100%となっています。
(なお、アフリカの54か国のうち電力アクセス率が100%の国は6か国に留まっています。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPあたりCO2排出量の国際比較
以下はアフリカ諸国および参考国の2019年におけるGDPあたりCO2排出量を表します。
GDPあたりCO2排出量は数字が大きくなるにつれて一単位あたりの生産を行うのに多くのCO2を必要とすることをを示します。
例えば、全世界のGDPあたりCO2排出量は0.26kg/US$であるのに対し、日本は0.21kg/US$と日本は世界平均に比べ生産時に排出CO2が2割ほど少ないこと示します。
中国のGDPあたりCO2排出量は0.48kg/US$であり、世界平均より2倍近いGDPあたりCO2排出量であり、アフリカ諸国と比べると2番目に多くのGDPあたりCO2排出量となっています。
(なお、アフリカ諸国のGDPあたりCO2排出量が総じて低いのは、エネルギーの投入をあまり必要としない農業などの産業が多く、また再生可能エネルギーの比率が高いことなどが要因となっています。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
CO2排出量とエネルギー消費量の推移
CO2排出量の推移
以下は1990年以降における中国および日本の一人あたりCO2排出量とGDPあたりCO2排出量を表します。
中国の一人あたりCO2排出量は1990年では2トン/人でしたが、直近では8トン/人近くと日本に近い水準まで増加しています。
GDPあたりCO2排出量は1990年では1.4kg/US$でしたが、直近では0.5kg/US$ほどまで半減しています。
しかし、その水準は依然日本の直近の0.20kg/US$の倍以上の水準です。
出所:World Development Indicators, December 2022.
エネルギー消費量の推移
以下は中国および日本の1960年以降における一人当たりエネルギー消費量と一人当たりの電力消費量の推移を示しています。
中国の一人当たりのエネルギー消費量は1970年の500トン/人程度でしたが、直近では2,200トン/人ほどまで増えており、日本の3,500トン/人に急速に近づいています。
一方、一人当たり電力消費量は1970年の200kWh/人から直近には4,000kWh/人ほどと20倍に増加しています。
しかし、日本の8,000kWh/人に比べると依然半分程度の水準です。
出所:World Development Indicators, December 2022.
再生可能エネルギー比率の推移
最後に再生可能エネルギー比率について確認します。
中国のエネルギーの再生可能エネルギーは1990年では35%ほどありましたが、直近では15%まで急速に低下しています。
一方、日本は1990年以降5%から8%へ微増となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
さいごに
今回はCO2排出量、再生可能エネルギー比率に関して
比較可能な直近の年次におけるアフリカ諸国および日本との国際比較および、日本との時系列比較を行いました。
引き続き他の国についても調べていきます。