今回はアフリカ諸国との比較参考国として米国(アメリカ)のCO2・エネルギーのデータについて簡単に整理します。
CO2排出量とエネルギー消費の国際比較
CO2排出量の国際比較
以下は2019年における全世界に占めるアフリカ諸国および参考国のCO2排出量のシェアを表しています。
米国(アメリカ)は全世界の14%ほどのCO2を排出しており、それはアフリカ全体(4%)に比べて3倍以上に相当し、日本と比べても4倍以上に相当しますが、中国と比べると半分以下となります。
出所:World Development Indicators, December 2022.
再生可能エネルギーの国際比較
以下は2019年における最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギー比率のランキングを示します。
米国(アメリカ)の再生可能エネルギー比率は10%ほどであり、全世界平均(2015年値)を下回っている一方で、日本と比べるとやや高い水準となっています。
また、アフリカ諸国と比べると、48位の南アフリカと49位のモーリタニアの間に位置します。
(アフリカ諸国の再生可能エネルギー比率が高いのは導入しやすい水力発電やバイオ燃料とその廃棄物(Biofuel and Waste)に依存する場合が多いことと、そもそもエネルギー消費量が少なく水力発電による発電やバイオ燃料とその廃棄物で十分エネルギー供給が間に合っているためだと考えられます。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
電力アクセス率の国際比較
以下は2020年における電力アクセス率(Access to electricity)を表します。
米国(アメリカ)の電力アクセス率は当然100%となっています。
(なお、アフリカの54か国のうち電力アクセス率が100%の国は6か国に留まっています。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPあたりCO2排出量の国際比較
以下はアフリカ諸国および参考国の2019年におけるGDPあたりCO2排出量を表します。
GDPあたりCO2排出量は数字が大きくなるにつれて一単位あたりの生産を行うのに多くのCO2を必要とすることをを示します。
例えば、全世界のGDPあたりCO2排出量は0.26kg/US$であるのに対し、日本は0.21kg/US$と日本は世界平均に比べ生産時に排出CO2が2割ほど少ないこと示します。
米国(アメリカ)のGDPあたりCO2排出量は0.24kg/US$であり、世界平均より1割ほど低いGDPあたりCO2排出量となっています。
(なお、アフリカ諸国のGDPあたりCO2排出量が総じて低いのは、エネルギーの投入をあまり必要としない農業などの産業が多く、また再生可能エネルギーの比率が高いことなどが要因となっています。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
CO2排出量とエネルギー消費量の推移
CO2排出量の推移
以下は1990年以降における米国(アメリカ)および日本の一人あたりCO2排出量とGDPあたりCO2排出量を表します。
米国(アメリカ)の一人あたりCO2排出量は1990年では20トン/人でしたが、直近では15トン/人まで改善しています。
しかし、その水準は依然日本の1.5倍ほどの水準があります。
GDPあたりCO2排出量は1990年では0.5kg/US$でしたが、直近では0.25kg/US$ほどまで半減しています。
そして、その水準は日本の直近の0.20kg/US$にかなり近い水準まで改善しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
エネルギー消費量の推移
以下は米国(アメリカ)および日本の1960年以降における一人当たりエネルギー消費量と一人当たりの電力消費量の推移を示しています。
米国(アメリカ)の一人当たりのエネルギー消費量は1960年の5,700トン/人から1970年代後半には8,300トン/人ほど増加しますが、その後は減少へ転じ、直近では7,000トン/人ほどとなっていますが、日本の3,500トン/人と比べると依然2倍ほどの水準があります。
一方、一人当たり電力消費量は1960年の4,000kWh/人から直近には13,000kWh/人ほどまで増加しています。
それは日本の8,000kWh/人に比べると1.5倍ほどの水準となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
再生可能エネルギー比率の推移
最後に再生可能エネルギー比率について確認します。
米国(アメリカ)のエネルギーの再生可能エネルギーは1990年では日本とほぼ同水準の4%ほどでしたが、直近では米国は10%超と日本の8%弱に比べて早いスピードで進んでいます。
出所:World Development Indicators, December 2022.
さいごに
今回はCO2排出量、再生可能エネルギー比率に関して
比較可能な直近の年次におけるアフリカ諸国および日本との国際比較および、日本との時系列比較を行いました。
引き続き他の国についても調べていきます。