エチオピアの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)

今回はエチオピアの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)について整理します。

なお、物価水準の国際比較については、以下の記事なども参照ください。

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エチオピアの基本情報

エチオピアは「アフリカの角」と呼ばれるソマリア半島に位置する東アフリカの国です。

 

エチオピアの人口は2016年時点で約1億人でアフリカでは2番目に人口の多い国です。

人口密度は92人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上の水準にあります。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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為替レートと実効為替レート

以下は対米ドルに対する為替レートと実質実効為替レート(右軸)の推移を示しています。

為替レートに関しては、1960年では1ドル=2.5ブルであり1990年ほどまでは安定していましたが、その後は急激に通貨安となり、2021年には1ドル=43.7ブル程度となっています。

エチオピアの為替レート

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

物価水準ランキング(GDP物価水準と家計消費物価水準)

次に1990年以降における物価水準について確認します。

以下は、GDP(家計消費、政府消費、投資、貿易の合計)の物価水準を表します。

米国の物価水準を基準(1.0)とすると、日本の物価は0.91とやや安くなっています。

一方、エチオピアは0.32であり、アフリカ諸国においては46番目に位置しており、アフリカでも比較的低い物価水準となっています。
GDPの物価水準

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

次に、一般家計に関係する家計消費の物価水準のランキングを見ると、日本は米国よりも2%ほど高い物価と言えます。

一方、エチオピアは0.35とGDPの物価水準とほぼ同水準にあり、アフリカ諸国での順位は36番目となっています。

家計消費の物価水準

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

物価水準の推移

次に物価水準の推移を確認します。

物価水準については基本的には米ドルなどを用いて共通通貨により評価をおこなうため、為替レートの影響を直接的にうけます。

そのため短期的に変動の大きい為替レートの影響を考慮して時系列でデータを見る必要もあります。

 

以下のグラフは、GDPの物価水準と家計消費の物価水準の推移を表しています。

GDPの物価水準は1991年では0.7程度でしたが、その後は一時は0.20ほどまで下落するものの、その後は上昇傾向となり、直近では0.32まで上昇しています。

家計消費の物価水準については1991年では0.9ほどありましたが、その後は急激に下落し、直近ではGDPの物価水準と近い0.32となっています。

エチオピアの物価水準

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

GDPの物価水準の内訳を見ると、2017年時点ではGDPの物価水準が0.36に対して、家計消費は0.36、政府消費は0.23、総資本形成(投資+在庫)は0.56、貿易は1.01となっています。

 

総資本形成の内訳では、国内で機械・設備の投資財の製造が難しいことから輸入に頼るケースが多く、その結果非常に高い物価水準となる一方で、建設については国内労働者の低賃金を反映して安い物価水準となっています。

エチオピアの最終消費の物価水準

出所:ICP2017.

 

次に商品別の物価水準を見ると、食料品は他の商品に比べて価格が高く、特に乳製品、油脂類、菓子類などは米国以上に高価となっています。

 

さらに、国内で生産が難しい自動車についても米国よりも高くなっています。

上記で挙げた財以外についてはおおよそ0.3-0.5と他のアフリカ諸国に比べても低い水準となっています。

特に、水道光熱費、医療や教育などの社会インフラは非常に安価となっています。

エチオピアの物価水準

出所:ICP2017.

 

 

さいごに

今回は為替レートと物価水準に関して、過去のデータを整理しました。

一方で、国内物価の変動自体については、CPIおよびデフレータについて取り上げている以下の記事を参照ください。

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