今回は比較参照国として、日本の為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)について整理します。
なお、物価水準の国際比較については、以下の記事なども参照ください。
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今回はアフリカ諸国のアパレルの物価についてです。 利用するデータは輸入品と国産品の平均物価の比較です。 アフリカ諸国のアパレルの物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国のアパレルの物価[…]
今回はアフリカ諸国の家具・住宅設備の物価と通信の物価についてです。 アフリカ諸国の家具・住宅設備および通信の物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国の家具・住宅設備および[…]
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為替レートと実効為替レート
以下は対米ドルに対する為替レートと実質実効為替レート(右軸)の推移を示しています。
為替レートに関しては、1960年では1ドル=360円でしたが、その後は一貫して通貨安となり、2021年には1ドル=110円となっています。
次に実効為替レートについてですが、これは「通貨の実力」を表す指数として言われます。
通常の為替レートでは特定の二国間の通貨によりレートが決定される一方で、実際には多国間での取引が生じているため、これらを考慮した通貨の関係を示すには実効為替レートが有効とされています。
日本銀行の説明によると
実効為替レートは、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標です。具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。
とされており、国際決済銀行(Bank for International Settlements、BIS)が公表しています。
作成方法やカバレッジ、ウエイト等の詳細については、BISのホームページ(外部サイトへのリンク)を参照してください。
実効為替レートについては物価上昇を含む名目実効為替レートと物価上昇の除いた実質実効為替レートの2種類がありますが、ここでは実質実効為替レートを可視化しています。
1980年~1995年では名目上の為替レートの通貨高すすみ、それに類似して実質実効為替レートにおいても上昇傾向(通貨高)となっています。
しかし、1995年以降においては、名目の為替レートはほぼ横ばいとなりますが、実質実効為替レートにて評価すると一貫して下落傾向(通貨安)となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
物価水準ランキング(GDP物価水準と家計消費物価水準)
次に物価水準について確認します。
以下は、GDP(家計消費、政府消費、投資、貿易の合計)の物価水準を表します。
米国の物価水準を基準(1.0)とすると、日本の物価は0.91とやや安くなっていますが、アフリカ諸国の中では2位に位置します。
出所:World Development Indicators, December 2022.
次に、一般家計に関係する家計消費の物価水準のランキングを見ると、日本は米国よりも2%ほど高い物価であり、アフリカのどの国に対しても高い物価となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
物価水準の推移
次に1990年以降における物価水準の推移を確認します。
物価水準については基本的には米ドルなどを用いて共通通貨により評価をおこなうため、為替レートの影響を直接的にうけます。
そのため短期的に変動の大きい為替レートの影響を考慮して時系列でデータを見る必要もあります。
以下のグラフは、GDPの物価水準と家計消費の物価水準の推移を表しています。
1995年以降を見ると、GDPの物価水準は1.8から直近では0.9へ、家計消費の物価水準も2.1から1.0とともに物価水準が半減しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPの物価水準の内訳を見ると、2017年時点ではGDPの物価水準が0.94に対して、家計消費は1.01、政府消費は0.71、総資本形成(投資+在庫)は1.0、貿易は1.00となっています。
政府消費については、公務や教育などの公務員の賃金が米国に比べ安いことを反映して、比較的安い物価水準となっています。
また、総資本形成の内訳では、機械・設備といった投資財は輸入に頼るケースも多く、その結果比較的高い物価水準となる一方で、建設については国内労働者の賃金水準を反映して比較的安い物価水準となっています。
出所:ICP2017.
次に財別の物価水準を見ると、食品・飲料は1.47であり、内訳では魚介類やノンアルコール飲料は比較的安価なものの、それ以外の食品についてはおおよそ米国より1.5倍程度高くなっています。
また、食品・飲料以外の財を見ると、酒・たばこ、医療、教育などは特徴的に安価と言えますが、家庭用品や運輸サービスやレクリエーションなどは米国よりも高価といえます。
出所:ICP2017.
さいごに
今回は為替レートと物価水準に関して、過去のデータを整理しました。
一方で、国内物価の変動自体については、CPIおよびデフレータについて取り上げている以下の記事を参照ください。
今回は参考国として、日本のCPIおよびデフレータについて整理します。 なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。 物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。 [sitecard subtit[…]