ベナンの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はベナンの産業構造を確認します。

 

ベナンの基本情報

ベナンはトーゴ、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリを隣国に持つ西アフリカの国です。

 

ベナンの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は97人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で2,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はベナンの1995年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

ベナンでもっとも規模の大きい産業は1.農業で、一国全体の30%ほどを占めています。

2番目に大きい産業は7.サービスで2019年では24%ほどを占めています。また、3.製造業は1995年では23%ほどありましたが、2019年では11%まで減少しています。

 

産業別GDP寄与度

以下は1990年以降におけるGDPに対する5年平均産業別寄与度を表しています。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

ベナンは2010年前半では12%と2桁成長を遂げているものの、それ以外の期間ではわずか3-5%程度の経済成長にとどまっています。

ベナンの経済成長の主な要因は1.農業に起因していますが、2010年前半の急成長では5.商業・レストラン・ホテルが大きな役割を果たしています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、1991年では50%ほどのシェアを占めていましたが、2019年では全体の40%以下まで減少しています。

一方、5.商業・レストラン・ホテルのシェアは拡大傾向にあり、同期間では17%から24%へ拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における一国全体の労働生産性は2,800ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は6.運輸・通信であり、労働生産性は7,500ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は5.商業・レストラン・ホテルであり労働生産性はわずか2,000ドル弱に留まっています。

 

さいごに

ベナンの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • GDPシェアをもっとも多くを占める産業は1.農業で一国全体の30%ほど
  • 2010年前半では12%と2桁成長を遂げているものの、それ以外の期間ではわずか3-5%程度の経済成長
  • 労働生産性が高い産業は3.運輸・通信(7,500ドル)。一方もっとも低いのは5.商業・レストラン・ホテル(2,000ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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