今回はコートジボワールの産業構造を確認します。
コートジボワールの基本情報
コートジボワールはリベリア、ギニア、ブルキナファソ、ガーナ、マリと多くの国を隣国にもつ西アフリカの国です。
コートジボワールの人口は2016年時点で約2,300万人とアフリカではやや人口の多い国です。
人口密度は72人/km2とアフリカ平均の40人/km2の1.8倍程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で3,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
産業別GDP構成比
早速ですが、以下はコートジボワールの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所：UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
コートジボワールでもっとも規模の大きい産業は7.その他サービスで、一国全体の30%ほどを占めています。
2番目に大きい産業は1.農業だが1970年から2019年にかけてシェアは30%から20%ほどに減少しています。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける産業別寄与度を表しています。
（なお、データの変動が激しいため1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。）
出所：UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
コートジボワールは経済成長の変動が著しく、1970年代前半では7%と高い成長率でしたが、その後は減少し、1980年後半にはマイナス成長となっています。
また、2000年代前半も経済成長は低迷していますが、その後へ経済成長は加速し、2010年代前半では10％以上の経済成長を遂げています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典：ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、1991年では50%超のシェアを占めていましたが、2019年では全体の40%程度まで減少しています。
一方、5.商業・レストラン・ホテルのシェアは拡大傾向にあり、同期間では19%から28%へ拡大しています。
産業別労働生産性（産業別就業者あたりGDP）
以下は2019年における産業別の労働生産性（産業別の就業者一人あたりGDP）を米ドル換算で表しています。
出典：ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における一国全体の労働生産性は7,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は67,000ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は5.商業・レストラン・ホテルであり労働生産性はわずか3,600ドル弱に留まっています。
さいごに
コートジボワールの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 経済のもっとも多くを占める産業は7.サービスで一国全体の30%ほどを占める
- 経済成長の変動は著しく、1980年後半にはマイナス成長だったものの、2010年代前半では10％以上の経済成長を実現
- 労働生産性が高い産業は2.鉱業（67,000ドル）。一方もっとも低いのは5.商業・レストラン・ホテル（3,600ドル）
引き続き他の国についても調べていきます。