赤道ギニアの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回は赤道ギニアの産業構造を確認します。

 

赤道ギニアの基本情報

赤道ギニアは、国土のうち9割がアフリカ大陸にあり、残りのは南太西洋のギニア湾に浮かぶ島々から構成されています。

首都マラボは大陸ではなくビオコ島にあります。

 

 

赤道ギニアの人口は2016年時点で約90万人とアフリカでは5番目に人口の少ない国です。

人口密度は31人/km2とアフリカ平均の40人/km2の8割程度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で37,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7倍以上あり、アフリカではもっとも高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は赤道ギニアの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

1990年代後半から2000年半ばでは、GDPの大半は2.鉱業・電ガス水が占めています。

赤道ギニアでは1992年にビオコ島沖合のアルバ油田、1996年にはマラボ沖合のザフィーロ油田、2000年には大陸沖のセイバ油田で原油および天然ガスが採掘されるようになり、現在ではサブサハラ諸国では、ナイジェリア、アンゴラに次ぐ第3位の産油国となっています。

しかし2000年後半以降2.鉱業・電ガス水の産業シェアは縮小傾向にあり、代わりに3.製造業と7.サービスのシェアが拡大しつつあります。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける産業別寄与度を表します。

(なお、データの変動が激しいため1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。)

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

赤道ギニアは原油開発がされる1990年以前では、ココアやコーヒーを中心としたプランテーション農業が産業の中心であり、経済成長も不安定でした。

しかし、原油開発が進むと、1990年代後半には平均成長率が27.7%を記録するなど、劇的な経済成長を遂げ、現在ではアフリカではもっとも一人当たりGDPの高い国となっています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

赤道ギニアはもともと農業が産業で中心であったこともあり、1991年時点では1.農業の就業者シェアは65%ほどでしたが、現在は40%ほどに減少しています。

現在では産業の中心である2.鉱業は他の産業と比べ労働力を必要としないことから、鉱業による経済発展は、7.サービスなどでの雇用の創出に寄与しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

 

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における一国全体の労働生産性は23,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は279,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか1,400ドル弱に留まっています。

 

さいごに

赤道ギニアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 1990年以前の産業の中心は農業で、1991年時点では就業者の65%は1.農業に従事。
  • 1990年以降は原油開発が進んでことにより、1990年代後半にはGDP成長率が平均で27.7%達成。
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業(279,000ドル)。一方もっとも低いのは農業(1,400ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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