エチオピアの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はエチオピアの産業構造を確認します。

 

エチオピアの基本情報

エチオピアは「アフリカの角」と呼ばれるソマリア半島に位置する東アフリカの国です。

 

エチオピアの人口は2016年時点で約1億人でアフリカでは2番目に人口の多い国です。

人口密度は92人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上の水準にあります。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はエチオピアの1990年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

エチオピアの主産業は1.農業で1990年前半ではGDPの最大65%超を占めていましたが、直近では35%程度まで減少しています。

一方で、2010年以降では4.建設のシェアは5%ほどから20%ほどまで拡大傾向にあります。

 

産業別GDP寄与度

以下は1990年以降のGDPに対する5年平均の産業別寄与度を表しています。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

エチオピアの経済成長は著しく、特に2000年代後半から2010年代前半にかけて平均10%以上の経済成長を遂げています。

2005年以前における経済成長の要因は1.農業が大きな役割を果たしていましたが、2005年以降では5.商業・レストラン・ホテルや4.建設が重要な役割をはたしています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、1991年では80%ほどのシェアを占めていましたが、2019年では全体の70%以下まで減少しています。

一方、7.サービスのシェアは拡大傾向にあり、同期間では5%から14%へ拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における一国全体の労働生産性は1,700ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は4.建設であり、労働生産性は11,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか900ドル弱に留まっています。

 

さいごに

エチオピアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 経済のもっとも多くを占める産業は1.農業で一国全体の35%ほどを占める
  • 経済成長は著しく、2000年代後半から2010年代前半にかけて平均10%以上の経済成長
  • 労働生産性が高い産業は4.建設(11,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(900ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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