ガーナの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はガーナの産業構造を確認します。

ガーナの貿易構造と人口構成についてはこちらをご覧ください。

 

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ガーナの基本情報

ガーナはコートジボワール、トーゴ、ブルキナファソに接する西アフリカの国です。

 

ガーナの人口は2016年時点で約2,800万人とアフリカでは比較的人口の多い国です。

人口密度は118人/km2とアフリカ平均の40人/km2の3倍近い水準にあります。

 

一人あたりGDPは2016年時点で4,300ドルとアフリカ平均の5,000ドルをやや下回ります。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はガーナの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

ガーナではもともと農業のGDPが全体の1/3ほど占めていましたが、2019年では19%ほどに縮小しています。

一方、商業・レストラン・ホテルは1970年では7%ほどでしたが、2019年では農業と同水準の19%まで拡大しており、もっともGDPシェアの大きい産業の一つとなっています。

また、2007年にガーナ沖で発見されたジュビリー油田の影響により、2010年から2011年では鉱業・電ガス水のシェアが6%から14%と急拡大しています。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける産業別寄与度を表します。

(なお、データの精度が悪く1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。)

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

ガーナは1970-1985年では低い経済成長でしたが、1985年以降は(1990年代前半を除き)商業・レストラン・ホテルや製造業、運輸・通信の安定的な成長により年率5-7%の経済成長を実現しています。

また、2010年代前半は石油天然ガスの輸出が増加した時期であり、それにより鉱業・電ガス水の寄与度が半分近く占め5年間の平均成長率は7.5%と高い経済成長を達成しています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別の就業者数のシェアを表します。

なお、農業については他の産業に比べシェアが大きいため、右軸を採用しています。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

1991年では農業の就業者数シェアは57%でしたが、2019年では30%まで減少しています。

その代わりに商業・レストラン・ホテルが16%から25%、その他が10%から21%まで上昇しています。

また、製造業は推移に問題がありそうですが、近年では16%を占めるほど増加しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

 

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年におけるガーナの労働生産性は5,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は鉱業・電ガス水であり、労働生産性は64,000ドルほどあります。

2番目に高い産業は運輸・通信であり、15,000ドルほどと全体平均の3倍ほどあります。

これらの産業は多くの資本投資を必要とする代わりに、高い生産性を実現しやすい産業です。

 

一方、労働集約的な農業や(軽工業が多い場合の)製造業は低生産性となりやすく、ガーナではそれぞれ3,100ドル、3,500ドル程度となっています。

 

なお就業者一人あたりのGDPではなく、人口あたりのGDPについては以下の記事で2016年時点の国際比較をおこなっています。

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さいごに

ガーナの産業構造についてまとめると

  • 産業別GDPについて、近年では農業と商業・レストラン・ホテルがそれぞれ19%、その他は18%、鉱業・電ガス水が17%を占める
  • 1985年以降は商業・レストラン・ホテルや製造業、運輸・通信により年率5-7%の経済成長
  • 就業者数シェアについて、近年では商業・レストラン・ホテルが25%、その他が21%、製造業が16%を占める
  • 労働生産性が高い産業は鉱業・電ガス水で64,000ドル、一方、もっとも低いのは農業で3,100ドル

引き続き他の国についても調べていきます。

 

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