マダガスカルの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はマダガスカルの産業構造を確認します。

マダガスカルの貿易構造と人口構成についてはこちらをご覧ください。

 

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マダガスカルの基本情報

マダガスカルはアフリカ南東部沖に浮かぶ島国です。位置については地図のとおりです。

アフリカ大陸に比べると小さく見えますが、日本の1.6倍の国土を持つ大きい国です。

 

マダガスカルの人口は2016年時点で約2,500万人で、アフリカでは比較的人口の多い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度とアフリカでも低位の国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はマダガスカルの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

1970-1995年までは1.農業の拡大期であり、27%から44%まで上昇し、それ以降は減少へ転じ2019年では24%となっています。

一方、7.サービスは1.農業と相反する推移をしており、1970年には29%から1994年には17%まで減少し、その後上昇へ転じて2019年には30%と最大の産業となっています。

 

そのほか、4.建設は1995-2019年で3%から8%まで拡大していますが、そのほかの産業については過去50年でほぼシェアの推移は変わっておりません。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける産業別寄与度を表します。

(なお、データの変動が激しいため1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。)

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

マダガスカルは1960年のフランスから独立から1972年まで第一共和制、1993年までを第二共和制、2010年までを第三共和制、それ以降を第四共和制と言われています。

第二共和制時代はラツィラカ大統領のもと社会主義・マルクス主義を推し進めていたが、この期間のGDP成長率は不安定で特に1980年代前半と1990年代前半はマイナス成長となっています。

しかし、その後の第三、第四共和政では経済も安定し、年率3%前後の経済成長を遂げいます。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者が多いのは1.農業で1991年では76%、2019年では64%まで減少しています。

1.農業の就業シェアの減少分は製造業を除く他の産業の拡大に繋がっています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

 

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は1,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は4. 建設であり、労働生産性は5,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか400ドル弱に留まっています。

 

さいごに

マダガスカルの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 産業別GDPシェアは1.農業と7.サービスは相反する推移をしており、農業は1970年、1990年半ば、2019年では27%、44%、24%と推移し、7.サービスは29%、17%、30%と推移
  • 第二共和制時代はのGDP成長率は不安定で特に1980年代前半と1990年代前半はマイナス成長、しかしその後の第三、第四共和政では経済も安定し、年率3%前後の経済成長
  • 就業者数シェアについては、1.農業は1991年から2019年で76%から64%まで減少
  • 労働生産性が高い産業は4. 建設(5,000ドル)。一方もっとも低いのは農業(400ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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