モーリタニアの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はモーリタニアの産業構造を確認します。

 

モーリタニアの基本情報

モーリタニアは西サハラ、アルジェリア、マリ、セネガルを隣国にもつ大西洋に接する西アフリカの国です。

モーリタニアの人口は2016年時点で420万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。

一方、人口密度は4人/km2とアフリカ平均40人/km2と1/10の水準であり、アフリカでは4番目に人口密度の低い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で4,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの8割程度の国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

1970年では1.農業が全体の1/3強を占めており、もっともGDPシェアの大きい産業でしたが、直近では20%程度に減少しています。

直近において、もっともシェアのた産業は7.その他サービスであり、30%近くを占めています。

また、同期間においては、5.商業・レストラン・ホテル、6.運輸・通信、4.建設はシェアを拡大させています。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

モーリタニアでは1970年代~1980年代にかけて、GDP成長は2%程度と緩やかな経済成長を遂げています。

しかし、1990年代のタヤ政権下においては、経済は大きく変動しています。

その後の2000年代においては、1.農業のGDPシェアが下がってきたことにより、7.その他サービスや5.商業・レストラン・ホテルを中心に経済成長を牽引しています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

1991年時点でもっとも就業者の多い産業は1.農業であり、40%ほどを占めていましたが、直近では30%まで縮小しています。

直近では、5.商業・レストラン・ホテルと7.その他サービスがそれぞれ15%強と25%弱へシェアを拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は6.200ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は44,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は5.商業・レストラン・ホテルであり労働生産性はわずか4,000ドル程度となっています。

 

さいごに

モーリタニアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 直近で最もGDPシェアの大きい産業は7.その他サービス
  • 2000年代以降は7.その他サービスや5.商業・レストラン・ホテルを中心に経済成長を牽引
  • 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の30%
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業(44,000ドル)、一方もっとも低いのは5.商業・レストラン・ホテル(4,000ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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