南アフリカの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回は南アフリカの産業構造を確認します。

南アフリカの貿易構造と人口構成についてはこちらをご覧ください。

 

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は南アフリカの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

アフリカで経済発展が進んでいる、南アフリカでは他のアフリカ諸国とは異なり農業のシェアが1970年時点でも7%とかなり低くなっており、2019年では更に減少し2%となっています。

また、製造業のシェアも1970年から2019年で23%から13%まで減少しており、サービス業(医療・教育・公務・その他サービス)は同期間で30%から44%と発展が進んでいます。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける産業別寄与度を表します。

(なお、データの精度が悪く1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。)

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

南アフリカはすでに経済が成熟しているため、経済成長もおおよそ1-3%程度ほどで推移しています。

1970年代における経済成長の主なエンジンは3. 製造業と7. サービスでしたが、その後は7. サービスの他5. 商業・レストラン・ホテルや6. 運輸・通信が成長要因となっています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業はGDPシェアと同様に7.サービスです。

1991年のシェアは31%でしたが、2019年には46%まで拡大しています。

また、4.建設は6%から8%、6.運輸・通信は5%から6%まで拡大していますが、そのほかの産業については就業者シェアを縮小させています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

 

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における南アフリカ全体の労働生産性は19,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2. 鉱業・電ガス水であり、労働生産性は68,000ドルほどです。

2番目に高い産業は6.運輸・通信であり、30,000ドルほどと全体平均の1.5倍ほどあります。

また、南アフリカの製造業は自動車産業が多く、そのため23,000ドルと高い生産性を実現しています。

これら多くの資本投資を必要とする産業は、高い労働生産性を実現しやすいのが特徴です。

 

一方、労働集約的な1.農業や4.建設は低生産性となりやすく、それぞれ7,500ドル、8,700ドル程度となっています。

 

なお就業者一人あたりのGDPではなく、人口あたりのGDPについては以下の記事で2016年時点の国際比較をおこなっています。

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さいごに

南アフリカの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 産業別GDPシェアは農業が2019年では2%と少なく、最大のシェアはサービス業(医療・教育・公務・その他サービス)の44%
  • 1970年代における経済成長の主なエンジンは3. 製造業と7. サービス、その後は7. サービス、5. 商業・レストラン・ホテル、6. 運輸・通信が成長要因
  • 就業者シェアのもっとも大きいのは7.サービスであり、2019年では46%。
  • 労働生産性が高い産業は鉱業・電ガス水(68,000ドル)と6.運輸・通信(30,000ドル)、一方もっとも低いのは農業(7,500ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

 

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