チュニジアの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はチュニジアの産業構造を確認します。

 

チュニジアの基本情報

チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。

 

チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はチュニジアの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

チュニジアでもっとも規模の大きい大きい産業は7.サービスで、一国全体の30-45%を占めています。

他のアフリカ諸国では多くのシェアを占める1.農業はチュニジアでは10-20%程度と3.製造業や5.商業・レストラン・ホテルより低い水準にあります。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける産業別寄与度を表しています。

(なお、データの変動が激しいため1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。)

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

チュニジアは2010年から2011年にかけて起こった革命、通称ジャスミン革命以降経済成長は低迷し、2010年代の平均GDP成長率は1.7%にとどまっています。

この期間においては3.製造業や4.建設業は停滞し、2.鉱業はマイナス成長となっています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

チュニジアでもっとも就業者の多い産業はGDPシェア同様に7.サービスであり、全体の27%程度を占めています。

1.農業の就業者シェアは1991年から2019年で22%から14%まで減少しており、代わりに4.建設業、5.商業・レストラン・ホテルの就業者シェアはそれぞれ9%から14%、14%から18%と拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における一国全体の労働生産性は11,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は41,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は4.建設業であり労働生産性はわずか3,000ドル弱に留まっています。

 

さいごに

チュニジアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 経済のもっとも多くを占める産業は7.サービスで一国全体の30-45%を占める
  • ジャスミン革命以降経済成長は低迷し、2010年代の平均GDP成長率は1.7%
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業(41,000ドル)。一方もっとも低いのは建設(3,000ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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