今回はニジェールのODA(政府開発援助)と貧困について簡単に整理します。
なお、ODAは援助する側とされる側がありますが、ここについてはODAは援助される側にフォーカスします。
ニジェールの基本情報
ニジェールはアフリカ中央部に位置しており、7か国に囲まれる内陸の国です。
ニジェールの人口は2016年時点で2,100万人とアフリカでは比較的人口の多い国です。
一方、人口密度は16人/km2とアフリカ平均40人/km2の半分以下の人口密度の高い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1/5程度であり、アフリカでは5番目に低い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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GNIに占めるODA率ランキング
早速ですが、以下は2019年におけるGNI(国民総所得)に占めるODA率のランキングです。
なお、一部の国では2019年のデータが利用できない国があるため、国名の後ろに利用年次を記載しています。
アフリカで最もODA率の高い国はソマリアでGNIに占めるODA率は38%となっており、ODAによりGNIが50%以上上乗せされております。
一方、ニジェールはアフリカ54か国中12位(11.1%)と比較的上位に位置しています。
出所:World Development Indicators
貧困率ランキング
次は貧困率についてです。
ここでは世界銀行が2015年に定めた1日あたり1.9ドル未満(PPP換算)で生活している人口のシェアをランキングしています。
なお、貧困率のデータは利用できない国や欠損年次が多いため、利用可能な国の直近の年次を用いてランキングしています。
アフリカでもっとも貧困率が高いのはマダガスカルであり人口の79%は貧困とされています。
一方、ニジェールはアフリカ49か国中15位(45%)と高い貧困率となっています。
出所:World Development Indicators
一人当たりODAと一人当たりGNI
以下は2019年の一人当たりODAを縦軸、一人当たりGNIを横軸にプロットしたものです。
ODAは国際支援を目的としているため、基本的にはODAはGNIと反比例するように支援されています。
(ただし、セーシェルは高い一人当たりGNIにかかわらず、一人当たりODAも多くなっています。)
ニジェールは一人当たりGNIが1,300ドル程度と低い水準であり、一人当たりODAも64ドルとなっています。
上図:全体図、下図:拡大図
出所:World Development Indicators
ニジェールにおける時系列推移
以下の左図はGNIに占めるODA率と一人当たりODA、右図は一人当たりGNIと貧困率の推移を表しています。
ニジェールのGNIに占めるODA率は1980年代には20%を超えていましたが、近年では11%まで減っています。
一人当たりODAは上昇傾向にあり、近年では60-70ドル程度となっています。
一人当たりGNIは1990年の800ドルから直近では1,300ドルと1.5倍以上増加していますが、
この期間における貧困率はほぼ変わっていません。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回はODAと貧困率について経済発展状況(GNI)を踏まえて見てました。
引き続き、いろいろ調べています。