今回はガーナの人口構成にフォーカスしてみます。
ガーナの基本情報
ガーナはコートジボワール、トーゴ、ブルキナファソに接する西アフリカの国です。
ガーナの人口は2016年時点で約2,800万人とアフリカでは比較的人口の多い国です。
人口密度は118人/km2とアフリカ平均の40人/km2の3倍近い水準にあります。
一人あたりGDPは2016年時点で4,300ドルとアフリカ平均の5,000ドルをやや下回ります。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
人口の見通し
このグラフは、1950年から2100年までのガーナの人口構成を示しており、人口の増加と年齢層の変化を視覚化しています。1950年の500万人から、2100年には6800万人に達すると予想されています。特に0-14歳の若年層(青色)は長期にわたって大きな割合を占めていますが、今後は高齢化が進み、65歳以上や80歳以上(緑色、青色)の割合が徐々に増加していくことが示されています。これにより、ガーナは今後高齢化社会に直面することが予測されます。
出典:UN World Population Prospects 2024
なお人口の平均成長率は1950-2020年では2.6%ほどであり、この先については2020-2050年が1.5%、2050-2100年は0.6%の見通しです。
人口構成の見通し
このグラフは、ガーナの人口構成の変化を示しています。1950年から2100年にかけて、0-14歳の若年層(青色)の割合が大幅に減少し、15-29歳(オレンジ色)や30-49歳(灰色)が一時的に増加する傾向が見られます。また、高齢化が進むことで、65歳以上(青色、緑色)の人口が増加していくことが予測されています。このデータは、ガーナが将来的に高齢化社会へと移行していくことを示唆しています。
出典:UN World Population Prospects 2024
人口ボーナス・人口オーナス
豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。
野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。
生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。
このグラフは、ガーナの「人口ボーナス/オーナス」の比率を示しています。人口ボーナスとは、労働年齢人口が多い時期に経済成長の促進が期待されることを意味します。グラフでは、ガーナが2020年から2060年にかけて人口ボーナスの恩恵を享受することが予測されていますが、その後、人口構成が高齢化していくにつれて労働力の減少により、人口オーナスの影響が増大する可能性が示されています。
出典:UN World Population Prospects 2024に基づく推計
男女別の学歴構成
以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。
ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。
出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計
ガーナは他のアフリカ諸国と同様に未就学シェアが1955年以降急激に減少しており、1955-2015年の期間では男性は44%から16%、女性は52%から25%まで減少しています。
一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.8%から11%、0.1%から4.1%と拡大しています。
同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.2%から8%、0.0%から2.2%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は改善しています。
都市部と農村部人口の構成と人口密度
このグラフは、ガーナの都市部人口シェアと人口密度の推移を示しています。1960年から2020年にかけて、都市部人口シェア(青い線)は約25%から60%近くに増加し、都市部人口密度は2020年に2809人/km²に達しています。一方、農村部の人口密度(赤い点)は比較的安定しており、1960年の43人/km²から2020年の58人/km²にわずかに増加しています。都市化が急速に進むガーナの現状を示しています。
出典:World Development Indicators, 2024/09に基づく推計
さいごに
ガーナの人口は今後数十年で劇的に増加し、高齢化が進むことが予測されています。この変化により、若年層の労働力が減少し、経済に新たな課題が生じる可能性があります。政府や企業は、教育、雇用創出、医療体制の強化などの対策を講じ、将来の人口構造の変化に対応する必要があります。都市化の進展も続いており、インフラ整備や持続可能な都市開発が急務です。
なお、労働については以下の記事で取り扱っていますので、是非ご覧ください。
今回はガーナの労働関連のデータについて簡単に整理します。 ガーナの基本情報 ガーナはコートジボワール、トーゴ、ブルキナファソに接する西アフリカの国です。 ガーナの人口は2016年時点[…]