ケニアの人口構成と将来の見通し。年齢構成や学歴構成の変化を確認する

今回はケニアの人口構成にフォーカスしてみます。

なお、他の国との人口規模については、こちらで比較しております。

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人口の見通し

このグラフは、ケニアの人口構成の推移と将来予測を示しています。1950年から2100年までの期間で、全体的に人口が増加する一方、特に若年層(0-14歳)の割合が減少し、65歳以上の高齢層が増加しています。2100年には高齢化が進むことが予想され、医療・福祉の需要が増加する可能性が高いです。また、労働人口となる30-49歳の層が2030年代以降も安定して推移することが見込まれ、経済成長の重要な要素となるでしょう。

ケニアの人口

出典:UN World Population Prospects 2024

 

なお人口の平均成長率は1950-2020年では3.1%ほどであり、この先については2020-2050年が1.6%、2050-2100年は0.4%の見通しです。

人口構成の見通し

ケニアの人口構成図では、人口が急増する様子と、各年齢層の割合の変化が確認できます。1950年から2100年にかけての予測を見ると、0-14歳の年少人口は減少傾向にあり、15-29歳および30-49歳の割合も徐々に低下する見込みです。一方、50歳以上の高齢者人口が増加し、特に80歳以上の割合が21世紀後半にかけて上昇しています。総人口も増加傾向にありますが、年齢構成のシフトにより、将来的には高齢化社会への対応が求められる可能性が高まっています。ケニアの人口構成

出典:UN World Population Prospects 2024

 

人口ボーナス・人口オーナス

豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。

野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。

生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。

 

ケニアの人口ボーナス/オーナスに関するグラフは、ケニアが今後数十年にわたり人口ボーナス期を迎える可能性を示しています。この指標は、労働力人口が扶養人口よりも多いことを意味し、経済成長のポテンシャルが高まることを指しています。グラフでは、2030年代以降に1.5以上のピークに達し、2060年頃まで高水準を維持する予想です。その後は徐々に低下する傾向が見られますが、経済成長を促進するためにこの期間をどのように活かすかが重要です。

ケニアの人口ボーナス

出典:UN World Population Prospects 2024に基づく推計

 

男女別の学歴構成

以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。

ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。

 

出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計

 

ケニアは他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は55%から13%、女性は58%から16%まで減少しています。

一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.5%から13%、0.1%から4.4%と拡大しています。

同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.3%から11%、0.0%から3.6%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は改善しています。

 

都市部と農村部人口の構成と人口密度

このグラフは、ケニアの都市部人口シェアと人口密度の変遷を示しています。1960年から都市部人口の割合は増加し、2020年には約28%に達しました。また、都市部人口密度も急上昇し、2020年には約3,500人/平方キロメートルを超えています。一方、農村部人口密度は低水準にとどまり、ほとんど変化がありません。都市部への集中が進んでいることがうかがえます。

ケニアの都市人口と人口密度出典:World Development Indicators, 2024/09に基づく推計

 

さいごに

ケニアの人口は今後も増加し続け、都市化が進展することが予想されます。若年層の割合は徐々に減少する一方で、30歳以上の年齢層の割合が増加し、人口構成の変化が進んでいます。この都市化の進展に伴い、インフラ整備や社会サービスの拡充が重要な課題となるでしょう。また、高齢化への備えや経済成長を支える人材育成も必要です。ケニアの持続的な発展には、これらの変化に対応する政策が求められます。

 

なお、労働については以下の記事で取り扱っていますので、是非ご覧ください。

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