マラウイの人口構成と将来の見通し。年齢構成や学歴構成の変化を確認する

今回はマラウイの人口構成にフォーカスしてみます。

 

マラウイの基本情報

マラウイはアフリカ南東部に位置する内陸の国です。

マラウイの人口は2016年時点で約1,800万人とアフリカでは平均的な人口の国です。

人口密度は150人/km2とアフリカ平均の40人/km2の4倍近くある国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2割ほどで、アフリカでは6番目に一人当たりGDPが低い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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人口の見通し

早速ですが、以下は1950年から2020年までの年齢階層別の人口の推移と、2100年までの見通しです。

出典:UN World Population Prospects 2019

マラウイの人口は2020年では1,900万人ですが、70年前の1950年ではわずか300万人でした。この期間の人口の平均成長率は2.7%です。

また、将来の見通しでは2030年には2,500万人、2050年には3,800万人、2100年では6,700万人の見込みです。

人口の平均成長率は2020-2050年が2.3%、2050-2100年は1.1%の見通しです。

 

人口構成の見通し

こちらは先ほどのグラフの年齢階層シェアの推移です。

1950年では46%あった14歳以下の人口は2020年では43%となっています。

今後は2050年に32%、2100年に20%まで減少する見込みです。

また、80歳以上人口は2020年では0.3%ほどです。今後の見込みでは2050年には0.6%、2100年には4.4%まで拡大する見込みです。

出典:UN World Population Prospects 2019

人口ボーナス・人口オーナス

豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。

野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。

生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。

以下は、1950-2100年の人口ボーナス・人口オーナスを示します。

マラウイでは1950-2010年まではゆるやかな人口オーナス期、その後は人口ボーナス期へ転じます。

出典:UN World Population Prospects 2019に基づく推計

男女別の学歴構成

以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。

ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。

出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計

マラウイは他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は47%から20%、女性は53%から30%まで減少しています。

一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.3%から8.4%、0.0%から0.9%と拡大しています。

同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.1%から4.7%、0.0%から0.5%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は少しずつ改善しています。

都市部と農村部人口の構成と人口密度

以下は1960年以降の全人口のうち都市部に住む人口シェアと、平均の人口密度の推移です。

出典:World Development Indicatorsに基づく推計

マラウイの都市部人口シェアは1960年には4%でしたが、近年では17%まで増加しています。

また、都市部の人口密度は1990年の599人から2010年では1,245人まで増加しています。

さいごに

マラウイの人口構成と見通しの特徴は以下のとおりです。

  • 人口は1950年、2020年、2100年ではそれぞれ300万人、1,900万人、6,700万人
  • 14歳以下の人口構成は2020年の43%から、2050年は32%、2100年は20%と減少
  • 80歳以上人口は2020年の0.3%から、2050年は0.6%、2100年は4.4%と増加
  • 1950-2010年は人口オーナス期、その後は人口ボーナス期
  • 未就学人口は一貫して減少、一方高卒および専門・大卒以上は一貫して増加

引き続き他の国についても調べていきます。

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