今回はカーボベルデの小学校教育(初等教育)に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
カーボベルデの基本情報
カーボベルデは大西洋に浮かぶ西アフリカの島国です。
カーボベルデの人口は2016年時点で約53万人とアフリカでは3番目に人口の少ない国です。
人口密度は131人/km2とアフリカ平均40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で6,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルより3割程度高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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小学校における生徒一人当たりの政府支出
以下の図はアフリカ諸国における小学生一人当たり政府支出額比率(対一人当たりGDP比)のランキングを表しています。
なお、国名横のカッコ内の数字はデータの当該年次を表してます。
また、参考として日本、米国、中国を併記しており、これらの国ではそれぞれ一人当たりGDPに対して22%、20%、6%相当の政府消費が小学生に支出されています。
一方、カーボベルデにおいては小学生一人当たり政府支出額比率は16.7%と日米に比べると低いものの、アフリカ諸国においては48か国中7位と上位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校入学率と私立生徒比率
ここでは、カーボベルデにおける小学校の入学率と私立学生の比率について扱います。
以下のグラフはそれらの時系列推移を表しています。
入学率については小学校へ入学する年齢の児童に占める実際に入学した比率を表しており、1980年代にはすでに100%近くあり、直近ではむしろ下落傾向にあります。
一方、私立学校に入学する生徒は2005年の1%ほどから、直近では2%超まで増加しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
なお、以下では小学校における私立学生の比率のアフリカ諸国におけるランキングを表しており、カーボベルデは2.2%で53か国中48位となっています。
これは、日本と似た比率となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校における生徒-教師比率
次に生徒と教師の比率について扱います。
以下の図はアフリカ諸国の小学校における生徒と教師の比率を表しています。
なお、参考国である日本、米国、中国はおよそ教師1人につき15人程度の生徒となっています。
一方、カーボベルデについては、21.1人とやや多くなっていますが、アフリカ諸国では53国中5位と上位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
以下ではカーボベルデの小学校における生徒と教師の比率の時系列の推移を表しています。
1970年代では教師一人当たり40人ほどの生徒比となっていましたが、直近では20人ほどと大幅に改善されています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校における女性比率
最後にここでは小学校における生徒と教師に占める女性の比率の時系列推移を示しています。
1970年代で既に女児の比率は50%ほどとなっており、直近ではむしろやや低下しています。
一方、教師については、1980年代後半では女性の教師比率は60%ほどでしたが、直近では女性比率が70%ほどまで上昇しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
さいごに
今回はカーボベルデにおける小学校教育について見てきました。
今後は中等教育、高等学校についても扱う予定です。