今回は中央アフリカ共和国の一般政府における財政(歳出、歳入、税収)について簡単に整理します。
また、歳出については、その内数にあたる軍事についても別途扱います。
中央アフリカ共和国の基本情報
中央アフリカ共和国はカメルーン、コンゴ、コンゴ民主共和国、スーダン、南スーダン、チャドを隣国にもつアフリカ中部の国です。
中央アフリカ共和国の人口は2016年時点で500万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。
一方、人口密度は8人/km2とアフリカでは6番目に人口密度の低い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で600ドルとアフリカではアフリカではもっとも一人あたりGDPの低い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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歳入・歳出比率(対GDP比)
以下はアフリカ諸国および参考国(日本、米国、中国)におけるGDPに対する※歳入(左図)・歳出(右図)比率のランキングを示しています。(カッコ内はデータが取得できる最新年を示しています。)
(ただし、ここの歳入にはデータの都合により助成金は含まれていません。)
中央アフリカ共和国の直近のデータを見ると、GDPに占める歳入比率9.5はアフリカ諸国の中では37位と比較的下位に位置しており、日本よりも10ポイントほど低い水準にあります。
一方、歳出についてもGDP比で14.0と水準は高く、アフリカ諸国においては27位とこちらも中位に位置しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
次に、以下は中央アフリカ共和国の一般政府におけるGDPに対する※歳入・歳出比率の推移を表しています。
(ただし、ここの歳入にはデータの都合により助成金は含まれていません。)
中央アフリカ共和国の歳入は2004年ではGDP比で8%ほどであり、その後もおおよそ同水準で推移しています。
一方、歳出についてはおおよそ8-10%で推移していますが、一時的には16%ほど上昇する局面もありました。
出所:World Development Indicators, December 2022.
さらに歳入(左図)と歳出(右図)の内訳の構成比の推移を表しているのが以下のグラフです。
(なお、一部の年次でデータが欠落しています。)
歳入については、助成金・その他が多くを占めており2004年では3割ほどを占めていましたが、直近では6割ほどまで上昇しています。
歳出については変動が大きいものの、雇用者報酬と財サービスがそれぞれ4割、その他が2割を占めています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
一般政府の軍事費
以下はアフリカ諸国と参考国における一般政府の軍事費比率のランキングを示しています。(左図は対GDP比、右図は対政府支出比)
中央アフリカ共和国のGDPに対する軍事費は1.9%でアフリカ諸国の中では17位、また、対政府支出比では8.5%でアフリカ諸国の中では13位と、比較的上位に位置しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPに対する軍事費の推移をみると1991年以降おおよそ2.0%程度で安定して推移しています。
また、対政府支出比で見れば多少変動はあるものの、おおよそ5-15%程度で横ばいに推移しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
さいごに
今回は一般政府における歳出と歳入の構成や、税収および債務の推移などを整理しました。
なお、今後の歳出・歳入や債務について予測については以下の記事で扱っていますので、是非ご参照ください。
今回は中央アフリカ共和国の経済予測について取り上げます。 使用しているデータは国際通貨機関(IMF)が年に2~4回刊行しているWorld Economic Outlook(WEO)を用いています。 WEOでは最新のデータに基づき[…]