今回は参考として中国の研究開発(R&D)産業について簡単に整理します。
産業の発展には研究開発への投資が必須となります。ここでは国際比較や時系列の推移を簡単にみています。
なお、おおよその産業構成については以下の記事をご確認ください。
今回はアフリカとの比較の参考国として中国の産業について整理します。 中国については既に知っていることも多いと思いますが、改めてアフリカ諸国と同一の分析フレームで確認しようと思います。 中国の人口構成については[…]
GDPに占める研究開発比率(R&D率)ランキング
早速ですが、以下はGDPに占める研究開発比率(R&D率)のランキングです。
こちらのデータはすべての国のデータが利用できるわけではないため、データの利用できるアフリカ諸国22か国と参考として日本を比較しています。また、利用可能な年次もまばらであるため、国名の後ろに利用している年次を記しています。
中国のR&D率は2.4%であり世界平均に比べると僅かに低い水準となっていますが、アフリカ諸国でもっとも高いエジプト(1.0%)と比べると2.5倍ほどとなっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
100万人に占める研究者・技術者数ランキング
次に100万人に占める研究者・技術者数のランキングです。
R&Dを増やすにはそれに従事者する研究者と技術者が必要となります。
中国の100万人に占める研究者は1,600人ほどであり(技術者のデータは利用できず)、こちらも世界平均と比べると僅かに低い水準ですが、アフリカ諸国と比べると1位のチュニジアと2位エジプトの間に位置します。
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPに占める研究開発比率(R&D率)と100万人に占める研究者・技術者数の推移
以上のデータについて、中国における時系列の推移を表したものが以下になります。
過去25年ではリーマンショック時を除き、R&Dシェアおよび100万人あたりの研究者・技術者数は一貫して上昇傾向にあり、1996年から2020年ではR&Dシェアは0.6%から2.4%へ、研究者・技術者数は400人から1,600人へ上昇しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
一方で、高等教育(Tertiary education)の入学率は1970年ではほぼ0%でしたが、直近では65%ほどまで上昇しており、世界平均と比べても高い水準となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
なお、人口における学歴構成については以下の記事をご覧ください。
今回はアフリカとの比較の参考国として中国の人口構成にフォーカスしてみます。 中国については既に知っていることも多いと思いますが、改めてアフリカ諸国と同一の分析フレームで確認しようと思います。 人口の見通し 早速[…]
さいごに
今回は経済発展に不可欠な研究開発についてデータが利用できるアフリカ諸国との比較をおこないました。
研究開発のデータは性質的に取りづらいこともあり、アフリカ諸国54か国のうち、半分以下の国しか確認することはできませんが、
他の国も引き続き他の国についても調べていきます。