今回は参考として米国(アメリカ)の研究開発(R&D)産業について簡単に整理します。
産業の発展には研究開発への投資が必須となります。ここでは国際比較や時系列の推移を簡単にみています。
なお、おおよその産業構成については以下の記事をご確認ください。
今回はアフリカとの比較の参考国として米国(アメリカ)の産業について整理します。 米国(アメリカ)については既に知っていることも多いと思いますが、改めてアフリカ諸国と同一の分析フレームで確認しようと思います。 […]
GDPに占める研究開発比率(R&D率)ランキング
早速ですが、以下はGDPに占める研究開発比率(R&D率)のランキングです。
こちらのデータはすべての国のデータが利用できるわけではないため、データの利用できるアフリカ諸国22か国と参考として日本を比較しています。また、利用可能な年次もまばらであるため、国名の後ろに利用している年次を記しています。
米国(アメリカ)のR&D率は3.5%であり、世界平均に比べると1ポイントほど高い水準となっています。
またアフリカ諸国と比べると、もっとも高いエジプト(1.0%)の3.5倍ほどとなっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
100万人に占める研究者・技術者数ランキング
次に100万人に占める研究者・技術者数のランキングです。
R&Dを増やすにはそれに従事者する研究者と技術者が必要となります。
米国(アメリカ)の100万人に占める研究者は4,800人ほどであり(技術者のデータは利用できず)、日本と比べると2割ほど少ない水準ですが、世界平均に比べると3倍ほど多くなっています。
また、アフリカでもっとも多いチュニジア(1,700人)と比べても2.5倍ほどの水準です。
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPに占める研究開発比率(R&D率)と100万人に占める研究者・技術者数の推移
以上のデータについて、米国(アメリカ)における時系列の推移を表したものが以下になります。
過去25年ほどではR&Dシェアと研究者・技術者数は一貫して上昇傾向にあり、特に2010年代後半からは加速しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
一方で、高等教育(Tertiary education)の入学率は1970年では50%ほどでしたが、直近では90%ほどまで上昇しており、世界平均と比べても高い水準となっています。
(1990年代後半~2010年はデータが欠損もしくは異常値となっています。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
なお、人口における学歴構成については以下の記事をご覧ください。
今回はアフリカとの比較の参考国として米国(アメリカ)の人口構成にフォーカスしてみます。 米国(アメリカ)については既に知っていることも多いと思いますが、改めてアフリカ諸国と同一の分析フレームで確認しようと思います。 […]
さいごに
今回は経済発展に不可欠な研究開発についてデータが利用できるアフリカ諸国との比較をおこないました。
研究開発のデータは性質的に取りづらいこともあり、アフリカ諸国54か国のうち、半分以下の国しか確認することはできませんが、
他の国も引き続き他の国についても調べていきます。