ケニアにおけるSDGs指標:飢餓と農林水産関連データ編

今回はケニアの国際連合食糧農業機関(FAO)が公表しているデータからSDGsに関連する指標を見てみようと思います。

ここでは17のゴールのうち、主にGoal2: 飢餓をゼロに、Goals14: 海の豊かさを守ろう、Goals15: 陸の豊かさも守ろう、に関連する指標を扱います。

SDGs

 

なお、SDGsについては日本ユニセフ協会のHPにてわかりやすく紹介されていますので、よろしければご覧ください。

SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)

親子で学べるSDGs(持続可能な開発目標)サイト「SDGs CLUB(クラブ)」。各目標ごとにターゲットの子ども訳を読ん…

 

ケニアの基本情報

ケニアはソマリア、エチオピア、ウガンダ、タンザニアを隣国にもつ東アフリカの国です。

ケニアの人口は2016年時点で約4,700万人とアフリカでは7番目に人口が多い国です。

人口密度は81人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍ほどです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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飢餓

Goal2「飢餓をゼロに」に関して、以下では栄養不足人口(左図)と人口に占める栄養不足蔓延率(右図)をランキングしてます。

国名の横のカッコ内には利用している年次を表しています。

なお、参考国としてここでは日本と中国を並記していますが、両国の栄養不足蔓延率はともに3%程度となっていますが、人口の違いにより栄養不足人口は大幅に異なっています。

 

ケニアの栄養不足人口は1,440万人であり、(データの確認できる限りでは)アフリカで4番目に多い国です。

しかし、人口に占める栄養不足人口率は26.9%であり、アフリカで12番目まで順位を下げます。

栄養不足

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

 

以下は栄養不足人口と人口に占める栄養不足蔓延率に関する2000年以降の推移を表します。

2003年には1,200万人ほどいた栄養不足人口は2010年には900万人まで減少しますが、その後は上昇へ転じ、直近では1,40o万人超となっています。

また、それに連動して栄養不足蔓延率も35%ほどから20%ほどまで下がりますが、直近では27%ほどとなっています。

ケニアの栄養不足

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

 

なお、以下の記事では貧困率について扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。

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農業

Goal2「飢餓をゼロに」関連して、ここでは農業について扱います。

以下はGDPに占める農業シェア(左図)と政府支出に占める農業関連シェア(右図)をランキングしています。

なお、参考国としてここでは日本、米国、中国を並記しています。

 

GDPに占める農業シェアに関して、ケニアは35%ほどでありアフリカでは6番目です。

一方、政府支出に占める農業関連シェアでは2%であり(データの確認できる限りでは)34番目まで順位を下げています。

農業

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

 

以下は、横軸に栄養不足蔓延率と縦軸に政府支出に占める農業関連シェアとして、各国の最新データをプロットしています。

これを見ると、栄養不足蔓延率が高い国ほど政府支出に占める農業関連シェアが低い傾向が見受けられます。

なお、ケニアは栄養不足蔓延率は高いものの、政府支出に占める農業関連シェアは低いためグラフ内では右下に位置しています。

栄養不足と農業

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

 

以下は、GDPに占める農業シェアと政府支出に占める農業関連シェアの2000年以降の推移を表しています。

農業のGDPシェアは2002年には25%ほどでした直近では35%ほどまで上昇しています。

一方、農業の政府支出シェアは変動は大きいものの5%ほどから2%ほどへ減少しています。

ケニアの農業割合

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

漁業

Goals14「海の豊かさを守ろう」に関連して、ここでは持続可能な魚類資源割合(左図)とGDPに占める持続可能な漁業シェア(右図)をランキングしています。

また参考国としてここでは日本、米国を並記していますが、日本と米国はともに持続可能な魚類資源割合(左図)では7割程度となっています。

 

この指標でデータの利用できる国が少ないですが、持続可能な魚類資源割合についてはケニアは29%で最下位となっています。

一方、GDPに占める持続可能な漁業シェアについては0.1%であり(データの確認できる限りでは)アフリカでは24番目となっています。

漁業割合

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

 

なお、一国全体における農林水産業や各産業のGDPシェアについて以下の記事をご覧ください。

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森林

Goals15「陸の豊かさも守ろう」に関して、ここでは国土に占める森林割合(左図)と森林における長期管理計画下割合(右図)をランキングしていています。

ここでは参考国として日本、米国、中国を並記しています。

 

ケニアの森林面積割合は6.3%であり、アフリカでは45番目となっています。

また、森林における長期管理計画下割合については4.3%であり、(データの確認できる限りでは)アフリカでは30番目となっています。

森林割合

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

 

上記の指標について2000年以降の推移を表しているのが、以下のグラフです。

国土に占める森林割合は2000年では7%ほどでしたが、直近では6.4%ほどまで減少しています。

また、森林における長期管理計画下割合は4.3%で横ばいとなっています。

ケニアの森林

出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.

なお、以下のリンクでは森林や自然を一国全体の資本(国富)として試算値していますので、よろしければご覧ください。

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さいごに

この記事ではFAOのデータベースを用いて作成しています。

そのためSDGsの指標としては偏りがありますが、SDGsには他にも様々なGoalsやそれに関連する指標があります。

そういった情報については法政大学の川久保研究室のホームページにて詳細を知ることができますので、よろしければご覧ください。

 

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