今回はスーダンの貿易について整理します。
スーダンの基本情報
スーダンはリビア、エジプト、チャド、南スーダン、中央アフリカ共和国、エチオピア、エリトリアを隣国にもつ北アフリカの国です。
スーダンの人口は2016年時点で約4,100万人とアフリカで8番目に人口の多い国です。
一方、人口密度は22人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で4,300ドルとアフリカ平均の5,000ドルの9割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
貿易収支の推移
早速ですが、以下は1970年以降のスーダンのGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアになります。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
スーダンは1970年代では貿易赤字となることが多かったですが、1990年以降は徐々に貿易黒字化がすすんでいます。ただし、2010年代半ば以降、再度貿易赤字に転じ、2018年ではGDP比で6%の貿易赤字となっています。
輸出の構成
以下は2012年以降のスーダンの輸出品の構成です。
スーダンは輸出品は1.農林水産品・食料品、2.鉱物、10.宝石・貴金属が大半を占めています。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。
最大の輸出品は71.宝石・貴金属(主に金(ゴールド)です)で2012年では70%超を占めている時期もありましたが、近年では25%ほどとなっています。
近年では、12. 採油用種及び果実、1.動物、52.綿などの農林水産品の輸出が拡大傾向にあります。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
輸入の構成
一方、輸入の構成については以下のようになっています。
輸入の構成は、おおよそ1.農林水産品・食料品、2.鉱物、3.化学、8.機械が大部分を占めています。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
輸入品の具体的な商品を見ると、10.穀物が最大の輸入品目となっており、2018年では輸入全体の17%を占めています。
また、87.自動車、84.一般機械といった機械系の輸入も多いですが、近年では27.石油天然ガスも拡大しています。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
貿易相手国の構成
次に貿易相手国を確認します。以下は2018年の貿易相手シェアを表します。
スーダンの最大の輸出相手国はUAEで輸出全体の28%に相当します。
2番目は中国の20%であり、上位10カ国の輸出は全体の91%占めています。
出所:UN comtrade.
最大の輸入相手国も中国で全体の15%を占めており、2番目はロシアの15%、その後はサウジアラビア、インド、UAEと続きます。
上位10カ国では77%、上位30カ国では94%を占めます。
さいごに
スーダンの貿易の特徴は以下のとおりです。
- 1970年代では貿易赤字、1990年以降は貿易黒字化がすすみ、2010年代半ば以降は再度貿易赤字
- 主な輸出品は金(ゴールド)
- 最大の輸出相手国はUAE、輸入相手国は中国
以上となります。引き続き他の国についても調べています。