今回はアンゴラの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
今回はアンゴラの貿易について整理します。 なお関税率については以下の記事を参照ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai.com/tariff_angola/ […]
アンゴラの基本情報
アンゴラはコンゴ、コンゴ民主共和国、ザンビア、ナミビアに接するアフリカ南部の国です。
アンゴラの人口は2016年時点で約2,600万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
また、一人あたりGDPは2016年時点で7,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルを4割程度上回ります。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
（左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。）
日本や米国の平均関税率（金額ウェイト）は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率（単純平均）はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、アンゴラは平均関税率（金額ウェイト）についてはアフリカでは27番目の10%、平均関税率（単純平均）は40番目の11%とやや低い関税率を設けています。
出所：WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
（左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。）
日本と米国では、無税率（金額ウェイト）はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率（品目換算）はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、アンゴラの無税率（金額ウェイト）は14番目に高い40%であり、免税率（品目換算）は10番目に高い44％とアフリカでは比較的高い非課税比率となっています。
出所：WTO Stat
２期間比較
輸入シェア
以下はアンゴラの2006年と2021年における輸入品目の金額構成を表しています。
2006年でもっとも輸入が多かった19.非電化機械や12.鉱物・金属のシェアは大幅に減少し、直近では21.輸送機械、13.石油類、10.化学品のシェアが拡大しています。
また、シェアは小さいものの、8.飲料・タバコも同期間でシェアを大幅に減らしています。
出所：WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
アンゴラの平均関税率は2006年では7%でしたが、2021年では11%と上昇しており、輸入金額を用いた加重平均関税率においても8%から10%へ上昇しています。
各分類レベルでは、8.飲料・タバコの関税率は22%から57%へ上昇しており、関税率に起因して輸入シェアが減少したと思われます。
同様に、3.果実や11.魚介類についても関税率が上昇したことにより、前節のグラフから輸入シェアが減少していることが確認されます。
一方、19.石油類の関税率は19%から4%へ減少したており、そのためか輸入シェアは1%から14%へ大幅に拡大しています。
出所：WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
輸入額ベースでの全体で見れば、無税率は2018年から2021年で41%から40%へわずかに低下しています。
この期間では、22.その他の農産品や5.穀物、3.果物、7.飲料などの食料品において無税比率が減少しています。
出所：WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
こちらについても無税率同様に、全体としての免税率は45%程度からあまり変化はありません。
品目ベースでは、先述のとおり、5.穀物や7.砂糖、2.乳製品など食料品を中心に非課税品目が減少しています。
出所：WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
今回はアンゴラの産業構造を確認します。 アンゴラの基本情報 アンゴラはコンゴ、コンゴ民主共和国、ザンビア、ナミビアに接するアフリカ南部の国です。 アンゴラの人口は2016年時点で約2[…]