今回はベナンの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
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ベナンの基本情報
ベナンはトーゴ、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリを隣国に持つ西アフリカの国です。
ベナンの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は97人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で2,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、ベナンは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは17番目の12%、平均関税率(単純平均)は34番目の12%と平均的な関税率を設けています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、ベナンの無税率(金額ウェイト)は36番目に高い7%であり、免税率(品目換算)は43番目に高い2%とアフリカでは低い非課税比率となっています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下はベナンの2006年と2021年における輸入品目の金額構成を表しています。
輸入がもっとも多いのは5.穀物であり、2006年からは6ポイントほどシェアが拡大しています。また、2番目にシェアの大きい12.鉱物は同期間で2ポイントほど拡大しています。
一方で、13.石油類や22.その他の農産物、16.繊維品などについては輸入シェアが縮小しています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
ベナンの平均関税率は2006年も2021年も12%と横ばいであり、輸入金額を用いて加重平均関税率についても同じく12%のままとなっています。
各分類レベルでは、1.動物生産品や4.コーヒー、紅茶、7砂糖などの関税率は同期間で大きく変動していますが、それ以外の多くの分類はほぼ関税率は変わっていません。
また、輸入シェアが高い5.穀物や12.鉱物・金属は意外と関税率は平均的な水準となっています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
全体で見れば、無税率は2006年から2021年で7%から変わっていません。
輸入金額ベースで見ると、14.化学品の大変はほぼ無税となっていますが、その他の分類については大半が課税対象となっています。
また、15.木材や13.石油類については、大幅に無税率が減少しています。
出所:WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
こちらについても無税率同様に、全体としての免税率は1%から2%とほぼ横ばいとなっています。
品目ベースでは、13.石油類の2割ほど非課税対象となっていますが、他の品目についてはほとんどの品目において課税対象となっています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
今回はベナンの産業構造を確認します。 ベナンの基本情報 ベナンはトーゴ、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリを隣国に持つ西アフリカの国です。 ベナンの人口は2016年時点で約1,1[…]