今回はカメルーンの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
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カメルーンの基本情報
カメルーンはナイジェリア、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ、赤道ギニア、ガボンに接する中央アフリカの国です。
カメルーンの人口は2016年時点で約2,400万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度とアフリカではやや低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
こんにちは、KOMEです。 1回目の投稿ではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると20[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、カメルーンは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは5番目の15%、平均関税率(単純平均)も5番目の18%と比較的高い関税率を設けています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、カメルーンの無税率(金額ウェイト)は41番目に高い3%であり、免税率(品目換算)は45番目に高い1%とアフリカでも非課税の比率が低くなっています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下、カメルーンの2005年と2019年における輸入品目の金額構成を表しています。
輸入がもっとも多いのは過去も直近も12.鉱物・金属であり、2005年からは5ポイントほどシェアが拡大しています。一方、2005年においてもっとも輸入シェアの大きかった13.石油は25%から13%まで減少しています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
カメルーンの平均関税率は2005年も2019年も18%と横ばいですが、輸入金額を用いて加重平均関税率は14%から15%へわずかに上昇しています。
各分類レベルでは、17.衣料や4.コーヒーを中心に食料品や軽工業品に対して20~30%ほどの関税率を設けている一方で、13.石油類や14.化学品や機械類など資源や技術レベルの高い製品に関しては10%台と低めの関税率となっています。
また、輸入シェアが高い12.鉱物・金属についても17%と相対的に低めの関税率となっています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
全体で見れば、無税率は2005年から2019年で4%から3%へわずかに低下しています。
輸入金額ベースで見ると、11.魚介類はほぼ無税であり、5.穀物も7割ほど無税とだが、その他の分類についてはほぼ課税対象となっています。
出所:WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
こちらについても無税率同様に、全体としての免税率はほぼ変わっていません。
品目ベースでは、11.魚介類は6割のほどの品目で非課税となっている一方で、他の品目についてはほとんどの品目において課税対象となっています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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