今回はコモロの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
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コモロの基本情報
コモロはアフリカ大陸とマダガスカルの間に位置する島国です。
コモロの人口は2016年時点で80万人とアフリカでは人口の少ない国です。
一方、人口密度は434人/km2とアフリカ平均40人/km2の10倍あり、アフリカでも3番目に人口密度の高い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,600ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度であり、アフリカでは比較的低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、コモロは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは46番目の5%でしたが、平均関税率(単純平均)は13番目の15%と比較的高い関税率を設けています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、コモロの無税率(金額ウェイト)は3番目の69%でしたが、免税率(品目換算)は18番目の14%と中位に位置しています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下はコモロの2013年と2020年における輸入品目の金額構成を表しています。
2013年時点で輸入が多かった12.鉱物や5.穀物といった一次産品は2020年でも高いシェアを保っていますが、同じく高いシェアがあった21.輸送用機械や20.電気機械などの機械類に関しては、2020年では大幅にシェアを落としています。
一方で、2020年では1.動物生産品や19.石油類などの一次産品のシェアが急増しています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
コモロの平均関税率は2006年では29%でしたが、2021年では15%へ大幅に減少しています。
各分類レベルでは、すべての分類で大幅に関税率を落としており、特に輸入シェアを拡大していた1.動物生産品や13.石油類などの一次産品の顕著となっています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
輸入額ベースでの全体で見れば、無税率は2013年から2020年で55%から61%へ上昇しています。
特に輸入シェアが拡大した13.石油類はかつてはすべて課税対象でしたが、2020年では83%まで無税率が上昇しています。
また、関税率が大幅に下がった11.魚介類はそのため無税率が大幅に上昇しています。
出所:WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
無税率は2006年では1%ほどでしたが、2021年には14%まで上昇しています。
特に、11.魚介類の免税率が4%から87%へ大幅に上昇していますが、一方で15.木材や5.穀物、22.その他の農産物は大幅に低下しています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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