今回はモロッコの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率を用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
今回はモロッコの貿易について整理します。 モロッコの基本情報 モロッコは地中海に接する北アフリカの国です。 モロッコの人口は2016年時点で約3,500万人とアフリカでは11番目に人[…]
モロッコの基本情報
モロッコは地中海に接する北アフリカの国です。
モロッコの人口は2016年時点で約3,500万人とアフリカでは11番目に人口が多い国です。
人口密度は78人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で8,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1.6倍程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、モロッコは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは14番目の13%とやや高い税率であり、また平均関税率(単純平均)も15番目の14%と同水準となっています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、モロッコの無税率(金額ウェイト)は47番目の1%であり、免税率(品目換算)は52番目の0%とアフリカではもっとも低い非課税比率となっています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下はモロッコの2006年と2020年における輸入品目の金額構成を表しています。
2006年から2020年を見ると、12.鉱物、13.石油類、16.繊維製品のカテゴリーの輸入シェアが下がっており、その一方で14.化学品や21.輸送用機械などの機械類などは大幅にシェアを拡大させています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
モロッコの平均関税率は2006年では24%でしたが、2021年では14%まで半減しています。
また、輸入金額を用いた加重平均関税率は16%から13%へ下げてます。
各分類レベルで見ると、ほとんど分類の関税率は下がっており、特に関税率の高かった1.動物生産品、2.乳製品、5.穀物などの1次産品は大きく関税率を下げています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
今回はモロッコの産業構造を確認します。 モロッコの基本情報 モロッコは地中海に接する北アフリカの国です。 モロッコの人口は2016年時点で約3,500万人とアフリカでは11番目に人口[…]