チュニジアの関税率

今回はチュニジアの関税率について整理します。

関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。

 

なお、貿易について以下の記事を参照ください。

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チュニジアの基本情報

チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。

 

チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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国際比較ランキング

関税率

以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。

(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)

 

日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。

その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。

 

一方、チュニジアは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは34番目の9%、平均関税率(単純平均)は38番目の12%とやや低い水準の関税率を設けています。

アフリカ諸国の関税率

出所:WTO Stat

 

無税率・免税率

以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。

(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)

 

日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。

 

一方、チュニジアの無税率(金額ウェイト)は7番目の58%であり、免税率(品目換算)は8番目の55%とアフリカでは比較的高い非課税比率となっています。

アフリカ諸国の無税率・免税率

出所:WTO Stat

2期間比較

輸入シェア

以下はチュニジアの2005年と2016年における輸入品目の金額構成を表しています。

2005年から2016年にかけて、16.繊維製品、13.石油類などはシェアを下げる一方で、20.電気機械、21.輸送用機器などはシェアを拡大させています。

チュニジアの輸入シェア

出所:WTO Stat

関税率

以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。

チュニジアの平均関税率は2006年から2021年にかけて27%から12%へ大幅に低下しています。

また、輸入金額を用いた加重平均関税率においては20%から9%へ半減しています。

 

各分類レベルで見ると、1.動物生産品、2.乳製品など多くの分類で大幅に関税率を下げています。

チュニジアの関税率

出所:WTO Stat

無税率・免税率

以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。

輸入額ベースでの全体で見れば、無税率は2005年から2016年で30%から58%へ大幅に上昇しています。

 

個別の分類でみると13.石油類、19.非電化機械など多くの分類で大幅に無税率が低下しています。

チュニジアの無税率

出所:WTO Stat

 

以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。

こちらについても無税率と同様に、全体としての免税率は14%から55%へ大幅に上げています。

個別に見ると、13.石油類、14.化学品など多くの分類で大幅に免税率を上昇させています。

チュニジアの免税率

出所:WTO Stat

 

さいごに

今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。

なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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