今回はチュニジアに関する観光に関するデータを整理します。
なお、この記事は世界観光機関(World Tourism Organization)が公開している観光統計データベース(UNWTO Tourism Statistics Database)を用いています。
チュニジアの基本情報
チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。
チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。
一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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入国者数(外国人観光客数)
以下はチュニジアにおける1995年以降の外国人入国者数の推移(左図)とその構成(右図)を示しています。
また、1段目のグラフは宿泊者か当日出国者を表し、2段目は入国の目的、3段目は入国手段、4段目は入国者の地域を表しています。
まず入国者数全体を見ると、1995年では400万人ほどの入国者がおり、2009年には900万人近くまで上昇しています。
2010年以降では当日出国者数が把握できていないことから入国者全体を捕捉できていませんが、2019年には宿泊者数だけで2009年を超える900万人超に達しています。
しかし、2020年にはには新型コロナの影響により宿泊者数は200万人まで激減しています。
出所:World Tourism Organization (2023), UNWTO Tourism Statistics Database, Madrid, data updated on 25/01/2023
次に入国者の構成を確認します。
はじめに1段目の入国者数の宿泊者か当日出国者からの内訳をみると、多くの入国者は宿泊を予定しており、当日に出国する日帰り観光客は全体の1割未満となっています。
次に2段目の入国目的については、データが利用できないため、ビジネス目的のシェアが把握できておりません。
3段目の入国手段を見ると、その多くは空路ですが、そのシェアは1995年以降徐々に低下傾向にあります。
一方で、陸路については4割ほどのシェアから6割近くまで拡大しており、現在では陸路がもっとも多い手段となっています。
4段目では入国者の出身地域を表しています。
これを見ると、1995年ではヨーロッパが6割、アフリカが2割、中東が2割ほどの構成比でしたが、2021年には新型コロナの影響により構造が変化し、ヨーロッパは4割、アフリカが1割、中東が5割と変化しています。
観光客の観光関連の消費額
ここでは外国人のチュニジアでの消費額(左図)と一人あたり消費額(右図)を表しています。
また、参考としてチュニジア人の海外での消費額合計(下段左図)と一人あたりの海外での消費額(下段右図)を並記しています。
外国人のチュニジアでの消費額合計は1995年では20億ドルほどでしたが、2008年には40億ドルほどまで倍増しています。
しかし、その後は減少へ転じ、2020年には新型コロナの影響により10億ドル程度まで急激に下落しています。
これらを一人あたり消費額で見ると、1995年では一人あたり消費額は400ドル程度であり、その水準はデータの確認できる2011年まで限れば、おおよそ横ばいで推移しています。
注:一人あたり消費額については消費額を入国者もしくは出国者数で除して算定している。
出所:World Tourism Organization (2023), UNWTO Tourism Statistics Database, Madrid, data updated on 25/01/2023.
一方、チュニジア人の海外での消費額を見ると1995年では海外で3億ドルほど消費していましたが、2018年には10億ドルほどまで急増していますが、その後は新型コロナの影響により4億ドルほどまで低下しています。
(なお、チュニジア人の一人あたり消費額についてはデータが確認できません。)
宿泊施設
以下はモチュニジアにおける宿泊施設数(左図)と稼働率および宿泊者の滞在日数を(右図)を表しています。
宿泊施設数に関しては1995年から2021年にかけて600施設から900施設へ増加しています。
またそれに付随する客室数とベッド数もそれぞれ8万室⇒12万室、16万台⇒23万台と拡大しています。
出所:World Tourism Organization (2023), UNWTO Tourism Statistics Database, Madrid, data updated on 25/01/2023
一方でベッド稼働率は変動はありつつも下落傾向にあり、加えて新型コロナの影響で40%台であった稼働率は10%台まで下落しています。
(なお、客室稼働率についてはデータは公表されていません。)
また、宿泊者の平均滞在日数も1995年では7日ほどでしたが、直近では4日ほどまで下落しています。
さいごに
今回は世界観光機関のデータベースに基づき観光に関する指標見てきました。
本サイトでは他にも、観光に関する貿易収支や、アフリカ諸国内ので観光客数ランキングなどまとめた記事も公開していますので、よろしければご覧ください
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