今回はエジプトの旅行関連のデータについて簡単に整理します。
エジプトの基本情報
エジプトの人口は2016年時点で
約9,300万人とアフリカでは3番目に人口の多い国です。
人口密度は93人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で12,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
アフリカ諸国における外国人観光客数ランキング
以下は直近におけるアフリカ諸国における外国人観光客の受け入れ人数のランキングです。
出所:World Bank “World Development Indicators” 注:国名後のカッコ内はデータの利用年次を表す。
エジプトはアフリカでは3番目に外国人観光客数が多く、2019年は1,300万人が訪れています。
なお、アフリカでもっとも外国人観光客が多いのは南アフリカで2019年は1,500万人です。日本は同年では3,200万人の外国人観光が訪れています。
エジプトの外国人観光客数とエジプト人海外旅行客数
以下はエジプトにおける1995年から2019年までの外国人観光客数と、エジプト人の海外旅行客数を表します。
外国人観光客数は1995年は300万人ほどでしたが、ピーク時の2010年には1,400万人超の外国人観光客が訪れています。
その後は2016年にかけて減少したものの、2019年には1,300万人ほどまで回復しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”
エジプト人の海外旅行者数については、2009-2014年のデータが利用できますが、この期間におけるエジプト人の海外旅行者数は500-600万人程度で推移しています。
エジプトの旅行によるサービス貿易収支
外国人観光客の旅行による消費は通常サービスの輸出として捉えられます。また、逆に自国民の海外旅行での消費はサービスの輸入として扱われます。
以下は、そのサービス輸出とサービス輸入のGDPにおけるシェアを表します。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
エジプトは2016年を除き一貫して旅行によるサービス貿易は黒字となっています。
1995-2019年の25年間では、旅行によるサービス貿易による黒字収支は平均してGDPの3%を占めています。
エジプトの旅行者あたり消費額
上記のサービス貿易は旅行者全体の消費額を表すため、それを旅行客数で除することで旅行客一人当たりの消費額を試算することができます。
以下は、エジプトを訪れる外国人観光客一人当たりの消費額(外国人観光客あたりの消費額)と、エジプト人の海外旅行での一人当たりの消費額(海外旅行客あたり消費額)の推移を表しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
データの推移の変動は大きいものの、外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ800-1000ドル、エジプト人の海外旅行での一人当たりの消費額はおよそ600ドルあたりで推移しています。
さいごに
エジプトの旅行についてまとめると以下のとおりです。
- エジプトを訪れる外国人観光客数は2019年では1,300万人でアフリカ全体では3番目
- エジプト人の海外旅行者数は2009-2014年では500-600万人
- 旅行によるサービス貿易の貿易黒字はGDPの3%程度
- 外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ800-1000ドル、エジプト人の海外旅行での一人当たりの消費額はおよそ600ドル
引き続き他の国についても調べていきます。