今回はエスワティニの労働統計についてフォーカスしたいと思います。
この記事では、産業別や職業別の平均賃金、また産業別や職業別の平均労働時間についてまとめています。
エスワティニの基本情報
エスワティニは南アフリカ、モザンビークを隣国にもつアフリカ南部の国です。
かつてはスワジランドと呼ばれていましたが、2018年にエスワティニと改名しました。
エスワティニの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。
一方、人口密度は75人/km2とアフリカでは比較的人口密度の高い国です。
また、一人あたりGDPは2016年時点で8,500ドルとアフリカでは比較的高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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雇用者の平均賃金
アフリカ諸国の賃金
以下のグラフはアフリカ諸国における雇用者の月額平均賃金のランキングを表します。
アフリカでもっとも賃金の高いセーシェル(1,050ドル)ですら日本の1/3程度、米国に対しては1/4.5程度の水準となっています。
一方、エスワティニ(スワジランド)の月額平均賃金311ドルは36か国中8位と比較的高い水準ですが、セーシェルに比べれば3割程度に留まっています。
出所:ILOSTAT. Last update on 09/10/2022
賃金の時系列推移
以下のグラフは2010年以降のエスワティニにおける平均賃金と、男女間の賃金格差率の推移を表します。
なお、為替レートでの換算では変動が大きいため、この節では2017年の購買力平価(PPP)を用いています。
出所:ILOSTAT. Last update on 09/10/2022
PPP(購買力平価)について詳しく知りたい人はこちらを参照してください。
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エスワティニの月額の平均賃金(PPP換算)のデータが利用できる年次は2016年に限られますが、その年次では800ドル程度となっています。
また、女性の賃金は同期間では男性(男性の賃金=1.0)の0.9程度となっています。
産業別・職業別賃金
以下は2016年における為替レート換算した産業間(左図)・職業間(右図)の月額平均賃金を表しています。
産業別にみると、D. 電気,ガスが889ドルともっとも高い賃金である一方で、S. その他のサービス業は126ドルでもっとも低い賃金となっています。
女性の賃金に限定すれば、(データが確認できる限り)もっとも賃金の高い産業はK. 金融保険業である一方で、もっとも賃金の低い産業はS. その他のサービス業となっています。
備考:グラフ内の数字は全体(Total)の賃金を表しています。
出所:ILOSTAT. Last update on 09/10/2022
職業別では、1. 管理職が722ドルでもっとも高い賃金となっている一方で、(データが確認できる限り)9. 単純作業の従事者が145ドルともっとも低くなっています。
なお女性の賃金に関しては、1.管理職がもっとも賃金が高い一方で、6. 農林漁業従事者の賃金がもっとも低くなっています。
雇用者の平均労働時間
アフリカ諸国の雇用者の平均労働時間
以下のグラフはアフリカ諸国における雇用者の週間平均労働時間のランキングを表します。
エスワティニ(スワジランド)の労働時間は48時間ほどとアフリカでは31か国中6位と長時間であり、日本や米国に比べると10時間以上長くなっています。
出所:ILOSTAT. Last update on 09/10/2022
労働時間の時系列推移
以下のグラフは2010年以降のエスワティニにおける週平均労働時間の推移を表します。
出所:ILOSTAT. Last update on 09/10/2022
エスワティニの労働時間のデータが利用できる年次2016年のみであり、その時は週48時間程度となっています。
また、女性の労働時間は男性に比べるとおおよそ5時間ほど短くなっています。
産業別・職業別労働時間
以下は2016年における産業間(左図)・職業間(右図)の週平均労働時間を表しています。
産業別にみると、(データが確認できる限り)Q. 保健衛生社会事業が38時間ともっとも労働時間が短い一方で、H. 運輸業が65時間でもっとも長い労働時間となっています。
また、女性に関しても同様の傾向があてはまります。
備考:グラフ内の数字は全体(Total)の労働時間を表しています。
出所:ILOSTAT. Last update on 09/10/2022
職業別では、2. 専門職が38時間でもっとも短い労働時間であるのに対し、5. サービス・販売従事者が55時間でもっとも長い労働時間となっています。
また、女性に関しても同様の傾向があてはまります。
さいごに
今回は労働統計における雇用者の賃金や労働時間について見てきました。
なお、就業者構成や産業別労働生産性などについては、以下の記事をご参照ください。
今回はエスワティニの就業率、失業率、労働生産性などの労働関連のデータについて簡単に整理します。 なお、産業別の労働者数や賃金・労働時間に関しては以下の記事を参照ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=[…]
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