エスワティニの平均寿命と出生率

今回はエスワティニの平均寿命、死亡率、出生率について簡単に整理します。

 

エスワティニの基本情報

エスワティニは南アフリカ、モザンビークを隣国にもつアフリカ南部の国です。

かつてはスワジランドと呼ばれていましたが、2018年にエスワティニと改名しました。

エスワティニの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。

一方、人口密度は75人/km2とアフリカでは比較的人口密度の高い国です。

 

また、一人あたりGDPは2016年時点で8,500ドルとアフリカでは比較的高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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平均寿命と生存率

以下のグラフはアフリカ諸国における平均寿命のランキングを示しています。

アフリカで最も平均寿命が長い国はセーシェルの77.2歳となっています。しかしセーシェルの平均寿命は米国の77.3歳、日本の84.6歳に比べれば依然短くなっています。

 

一方、エスワティニの平均寿命は60.7歳とアフリカでは42番目に長寿となっています。

平均寿命

出所:World Development Indicators

 

以下はエスワティニにおける平均寿命の推移と65歳時点での生存率を表しています。

1960年では平均寿命は44歳であり、1990年には60歳超まで上昇しますが、2005年にかけて43歳まで低下しています。

(原因はわかりませんが、HIVの感染増加なども影響しているものと思われます。)

その後は、上昇へ転じ直近では61歳まで上昇しています。また、平均寿命は総じて女性の方が高くなっています。

 

65歳時点の生存率については、1960年時点では女性は38%ほど男性は31%ほどでしたが、こちらも1990年にかけて上昇したのちは2005年にかけて生存率は低下し、その後の再上昇により直近では女性は61%、男性が41%ほどまで改善してます。

エスワティニの平均寿命

出所:World Development Indicators

 

死亡率

以下は年齢階層別の死亡率を表します。

1960年では出生後15%弱は1歳に満たず亡くなっており、更に5歳までには20%強が亡くなっていましたが、直近ではその水準はともに5%以下まで急激に改善しています。

また、子供(5-9歳)、青少年(10-14歳)、若年(20-24歳)の死亡率は1990年以降2%以下で推移しており、また近年にかけて子供(5-9歳)を除き減少傾向にあります。

エスワティニの死亡率

出所:World Development Indicators

 

出生時の母体死亡率をみると、医療診断を受けている妊婦ほど死亡率が低くなる傾向が見受けられます。

エスワティニでは99%の妊婦が医療診断を受けているもに関わらず、出生時の母体死亡率は0.4%と比較的高くとなっています。

医療診断下の妊婦比率と出生時母体死亡率

出所:World Development Indicators

 

合計特殊出生率

以下は合計特殊出生率と一人当たりGDPの推移を示します。

なお合計特殊出生率とは、

  • 合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、次の2つの種類があり、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。
    • 「期間」合計特殊出生率
      ある期間(1年間)の出生状況に着目したもので、その年における各年齢(15~49歳)の女性の出生率を合計したもの。
      女性人口の年齢構成の違いを除いた「その年の出生率」であり、年次比較、国際比較、地域比較に用いられている。
    • 「コーホート」合計特殊出生率
      ある世代の出生状況に着目したもので、同一世代生まれ(コーホート)の女性の各年齢(15~49歳)の出生率を過去から積み上げたもの。
      「その世代の出生率」である。
  • 実際に「一人の女性が一生の間に生む子どもの数」はBのコーホート合計特殊出生率であるが、この値はその世代が50歳に到達するまで得られないため、それに相当するものとしてAの期間合計特殊出生率が一般に用いられている。 なお、各年齢別の出生率が世代(コーホート)によらず同じであれば、この二つの「合計特殊出生率」は同じ値になる。
  • ただし、晩婚化・晩産化が進行している状況等、各世代の結婚や出産の行動に違いがあり、各年齢の出生率が世代により異なる場合には、別々の世代の年齢別出生率の合計であるAの期間合計特殊出生率は、同一世代のBのコーホート合計特殊出生率の値と異なることに注意が必要である。(出所:厚生労働省

 

エスワティニでは1960年では合計特殊出生率は7人ほどでしたが、1980年くらいから減少し始め、さらに一人あたりGDPの上昇にともない、直近では2.9人まで改善しています。

エスワティニの出生率

出所:World Development Indicators

さいごに

今回は平均寿命、死亡率、および出生率について見てきました。

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