ルワンダの経済予測:World Economic Outlook Database, October 2023

今回はルワンダの経済予測について取り上げます。

使用しているデータは国際通貨機関(IMF)が年に2~4回刊行しているWorld Economic Outlook(WEO)を用いています。

WEOでは最新のデータに基づき予測を毎回改訂していますので、過去のデータを顧みることで予測の不確実性を理解したうえで有益なツールとして使用することが望まれます。

 

ルワンダの基本情報

ルワンダはコンゴ、コンゴ民主共和国、ウガンダ、タンザニア、ブルンジの国境の境目に位置する東アフリカの小国です。

 

ルワンダの人口は2016年時点で約1,200万人で、アフリカでは平均的な人口の国です。

ただ国土が小さいことから人口密度はモーリシャスに次いでアフリカで2番目に蜜となっています。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割弱です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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国際比較ランキング

GDP成長率

以下のグラフは2023~2028年におけるアフリカ諸国の実質GDP成長率のランキングを示しています。

また、参考国として米国、中国および日本を並記しています。当該期間では、中国は4.1%、米国は1.9%、日本は0.8%と予測されており、日米に関してはアフリカ諸国と比較すると非常に低水準となっています。

 

ルワンダに関しては、同期間では7.0%ほどの経済成長を見込まれており、アフリカ諸国の中では2番目に高い水準となっています。

予測GDP成長

出所:World Economic Outlook Database, October 2023

 

時系列推移

GDP成長率・一人あたりGDP

以下は2000年以降のGDP成長率(左図)および世界に占めるGDPシェア(右図)の実績値と過去の数時点および直近(Latest)のWEOの予測を表しています。

ルワンダのGDP成長率は新型コロナによる2020年の大幅なマイナス成長などの一時的な凹みを除くとおおよそ8%ほどで安定して推移しています。

 

そのため、過去のWEOの予測を見ると、おおよそ7-8%程度の経済予測を見込まれることが多く、直近のWEOにおいても2028年にかけて7%ほどに収束すると見込まれています。

 

世界に占めるGDPシェアは非常に小さく実績値は2000年の0.01%ほどですが、2028年には0.03%ほどまで拡大するとみられています。

ルワンダのGDP予測

出所:World Economic Outlook Database, October 2023

 

次に以下のグラフは一人あたりの実質GDPの推移を表しています。

ルワンダの一人あたりGDP予測

出所:World Economic Outlook Database, October 2023

 

単位は国際比較で用いられる2017年PPP換算(米ドル)を用いています。PPPについては以下の記事でまとめていますので、こちらも参照ください。

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一人あたりGDPについては、2000年では900ドルほどであり、2022年には2,500ドルほどまで上昇しています。

さらに、最新のWEOでは2028年にかけて一人あたりGDPは3,200ドルほどまで上昇すると見込まれています。

 

インフレ率

以下は2000年以降の年次インフレ率(左図)および2000年を基準としたインフレ指数(右図)の実績値と過去の数時点および最新のWEOの予測を表しています。

 

ルワンダではインフレ率は2000年代では10%超となる時期も多くありましたが、徐々に減速し、2010年代ではおおよそ2-6%ほどに収束しています。

そのため、過去のWEOを見るとインフレ率は5%程度へ収束すると予測されることが多く、直近のWEOのインフレ率の予測についても2028年には5%ほどと見込まれています。

 

また、インフレ指数は2000年を100とすると、実績値では2022年は380ほどとなり、さらに2028年の見込みでは550程度まで上昇すると見込まれています。

ルワンダのインフレ率予測

出所:World Economic Outlook Database, October 2023

 

なお、過去の物価変動について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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政府の歳入歳出・負債

以下は2000年以降の政府の歳入(左図)と歳出(右図)の実績値と過去の数時点および最新のWEOの予測を表しています。

2000年ではGDP比で歳入は18%、歳出は19%とほぼ均衡財政となっていましたが、2022年になると歳入はGDP比で24%、歳出は30%と赤字に転化しています。

なお直近のWEOの予測では2028年ではそれぞれ24%と38%と見込まれており、赤字収支は縮小すると予測されています。

ルワンダの歳出歳入

出所:World Economic Outlook Database, October 2023

 

さらに以下は政府の総負債(左図)と純負債(右図)の推移を表しています。

なお、純負債は総負債から債務証券に対応する金融資産(金・SDR、通貨・預金、負債証券、貸付金、保険・年金・標準保証制度、その他売掛金など)を除いたものをさします。

(ただし、ルワンダについては純負債のデータは公表されておりません。)

ルワンダの債務

出所:World Economic Outlook Database, October 2023

ルワンダのGDPに対する総負債比は2000年では85ほどでしたが、2006年には20ほどまで改善するものの、2013年には上昇へ転じ、2022年には60ほどまで悪化しています。

さらに、直近のWEOでは2028年には70ほどまで悪化すると見込まれています。

 

さいごに

今回使用しているWEOは常時データを改訂しています。

特に近年では新型コロナの状況により予測値が大幅に改訂することありますので、新型コロナについて状況を知りたい場合は以下の記事を参照ください。

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