エリトリアの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はエリトリアの産業構造を確認します。

 

エリトリアの基本情報

エリトリアはスーダン、エチオピア、ジブチを隣国にもつ東アフリカの国です。

エリトリアの人口は2016年時点で540万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。

一方、人口密度は46人/km2とアフリカ平均40人/km2とほぼ同水準の国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1/3程度であり、アフリカでは比較的低位の国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は1990年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

現在の主な産業は7.その他サービスであり、一国全体の3割弱を占めています。

また、かつて最もシェアの大きかった1.農業はおよそ30%から近年では17%まで減少しています。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

エリトリアの1990年代前半は2桁成長を遂げましたが、それ以降は2000年代を除き3-5%程度の成長に留まっています。

2000年代は弱い経済成長でしたが、この期間においても4.建設は安定してプラス成長に寄与しています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、現在でも一国全体の60%超を占めています。

それに続くのは5.商業・レストラン・ホテルですが、わずか2割弱にとどまっています。

また、経済への影響が大きい3.製造業については、この期間では就業者シェアが僅かに減少傾向にあります。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は1,300ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は21,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか400ドル程度となっています。

 

さいごに

エリトリアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 主な産業は7.その他サービスであり、現在ではGDP比で30%弱を占める
  • 2000年代を除き経済成長は3-5%で安定
  • 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の60%超
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業(21,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(400ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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