今回はソマリアの産業構造を確認します。
ソマリアの基本情報
ソマリアはケニア、エチオピア、ジブチを隣国にもつアラビア海に接する東アフリカの国です。
ソマリアの人口は2016年時点で1,100万人とアフリカでは平均的な人口の国です。
一方、人口密度は17人/km2とアフリカ平均40人/km2の半分ほど人口密度の高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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産業別GDP構成比
早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
1970年以降主要な産業は1.農業であり、一貫して全体の60%を占めています。
また、1990年代後半以降UNのデータでは産業構造は安定しています。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
ソマリアはソマリア内戦の影響もあり1990年代前半は大きなマイナス成長となっていますが、その他の期間ではおおよそ3-4%の経済成長となっています。
ソマリアの経済成長は主に1.農業に起因しています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、直近でも80%を占めています。
また、2番目にシェアの大きい5.商業・レストラン・ホテルは同期間で9%から11%へ増加しています。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における全体の労働生産性は400ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は6.運輸・通信であり、労働生産性は3,100ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか300ドル程度となっています。
さいごに
ソマリアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 直近で最もGDPシェアの大きい産業は1.農業
- 1990年代前半は大きなマイナス成長、その他の期間ではおおよそ3-4%の経済成長
- 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の80%
- 労働生産性が高い産業は6.運輸・通信(3,100ドル)、一方もっとも低いのは1.農業(300ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。