今回はリビアの産業構造を確認します。
リビアの基本情報
リビアは地中海に接する北アフリカの国です。
リビアの人口は2016年時点で約600万人とアフリカでは平均よりも人口の少ない国です。
人口密度は3.6人/km2とアフリカでは下から2番目に低い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で14,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3倍近くあり、アフリカでは7番目に一人当たりGDPが高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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産業別GDP構成比
早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
主な産業は2.鉱業でGDPの6割を占めています。
続く産業は7.その他サービスで、これら2産業でおおよそ8割を占めるほどです。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
リビアは2011年に内戦が起こって以降経済は混乱しており、2010年代前半には-50%近いマイナス成長となっています。
それに反発して、2010年代後半には2桁成長となっていますが、いまだ経済は元の水準まで戻っていません。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業は、かつては1.農業であり1991年では一国全体の30%超でしたが、現在では16%まで縮小しています。
現在最も就業者の多い産業は7.その他サービスであり、一国全体の1/3を占めています。
また、5.商業・レストラン・ホテルも1.農業を抜き、現在では2番目に大きい産業となっています。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における全体の労働生産性は15,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は316,000ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか800ドル程度となっています。
さいごに
リビアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 主な産業は2.鉱業であり、GDPの6割に相当
- 2011年に内戦が起こって以降経済は混乱し、2010年代前半には-50%近いマイナス成長
- 就業者の多い産業は7.その他サービスで一国全体の1/3程度
- 労働生産性が高い産業は2.鉱業(316,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(800ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。