今回はリビアの労働関連のデータについて簡単に整理します。
リビアの基本情報
リビアは地中海に接する北アフリカの国です。
リビアの人口は2016年時点で約600万人とアフリカでは平均よりも人口の少ない国です。
人口密度は3.6人/km2とアフリカでは下から2番目に低い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で14,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3倍近くあり、アフリカでは7番目に一人当たりGDPが高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
就業率と失業率、ニート率
就業率
以下は1991年から2019年における男女別の就業率の推移を表しています。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
就業率は1991年から2019年にかけて35%から40%へ就業率は上昇しています。
男女別に見れば、男性の方が総じて高く、また男女ともに就業率は上昇傾向にあります。
失業率
次に失業率について確認します。以下は2019年における失業率のランキングを示します。
2019年におけるリビアの失業率は18.3%とアフリカでは5番目に高い水準となっています。
なお、もっとも失業率の高い国は南アフリカの28.5%です。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
次に1991年から2019年における男女別の失業率の推移について確認します。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
失業率はほぼ20%程度で推移しています。
男女別失業率は女性の方が総じて高くなっています。
ニート率
次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート(NEET:Not in Education, Employment or Training)について確認します。
以下は2005年から2019年におけるニート率を示しています。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
日本ではニート率は3-4%程度でしたが、リビアのニート率は30%程度で推移しています。
また、男女別に見ると、女性の方が総じて高く推移しています。
労働生産性と就業構成
労働生産性
以下は2019年における労働生産性(GDP/就業者数)のランキングを示します。
リビアの労働生産性は52,000ドルであり、アフリカでは2番目の水準にあります。
なお、日本の労働生産性は77,500ドル、アフリカでもっとも労働生産性の高いガボンの55,700ドルとなっています。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
就業構成
以下は1991年から2019年における労働生産性(GDP/就業者数)と就業者全体に占める女性シェアを示します。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
労働生産性は1991年時点では110,000ドル程度でしたが、半分程度まで減少しています。
また、就業者全体に占める女性シェアは同期間では25%から30%程度まで上昇しています。
職業構成
以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
リビアでは6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者のシェアが35%程度を占めています。
以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。
出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
リビアでは職業により男性と女性のシェアの違いは、男性は1.管理職、5.サービス・販売従事者、7.技能工及び関連職業の従事者、8.設備・機械の運転・組立工が多い一方で、女性は比較的2.専門職、3.技師・准専門職、4. 事務補助員が多くなっています。
さいごに
リビアの労働についてまとめると以下のとおりです。
- 就業率は40%程度
- 失業率は18%
- 労働生産性55,000ドル
- 就業者全体に占める女性シェアは30%
引き続き他の国についても調べていきます。