今回は南スーダンにおける児童労働についてデータを整理します。
ただし、児童労働の問題には就学の問題も関連することが多いため、はじめに就学率についてデータを確認します。
南スーダンの基本情報
南スーダンはスーダン、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ウガンダ、ケニア、エチオピアを隣国にもつ北アフリカの国です。
南スーダンの人口は2016年時点で約1,200万人とアフリカで平均的な人口を有する国です。
人口密度は21人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,600ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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就学率(教育)
以下はアフリカ諸国および参考国(米国、中国)における就学率を表します。(括弧内の数字はデータの年次を表します。)
なお、ここでの就学率は初等教育対象年齢人口に対する初等教育に入学した人口をします。
参考国である米国と中国の就学率はそれぞれ、95.6%と89.3%に対し、南スーダンは35.3%と両国よりも著しく低い水準にあり、アフリカ諸国の中では53番目となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
次に、男女別の就学率をみます。
2015年においては男女間の就学率の格差は10パーセントポイントほどの格差が見受けられます。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、人口に占める学歴構成については、以下の時期で取り上げています。
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児童就業率(児童労働)
次に、児童の就業率について確認します。
以下のグラフは7-14歳人口に占める就業率を表しており、左図は全体、中図は男子、右図は女子の就業率のランキングとなっています。
南スーダンの全体の児童就業率は46%でデータの確認できる44か国中8番目となっています。
また、男子は46%で44か国中8番目、女子は46%で7番目と男女ともに高い水準となっており、児童の2に1人は労働をおこなっている状況となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
以下の左図は児童労働における産業別構成比を表しており、右図では就業形態別の構成比を表します。
産業の構成比を見ると、農業が60%とほぼ大部分を占めており、それに次ぐサービス業は38%であり、製造業は僅か数%となっています。
また雇用形態を見ると、雇用者は僅か4%ほどであり、大部分は家族従業者が占めています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、一国全体の労働構成については以下の記事を参照ください。
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さいごに
今回は就学率や児童の就業率や労働時間について整理しましたが、児童労働の賃金データや産業別の児童労働時間などのデータについては確認することができませでした。