スーダンの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はスーダンの産業構造を確認します。

 

スーダンの基本情報

スーダンはリビア、エジプト、チャド、南スーダン、中央アフリカ共和国、エチオピア、エリトリアを隣国にもつ北アフリカの国です。

スーダンの人口は2016年時点で約4,100万人とアフリカで8番目に人口の多い国です。

一方、人口密度は22人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分程度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で4,300ドルとアフリカ平均の5,000ドルの9割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はスーダンの2008年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

2008年時点では最大の産業は1.農業で一国全体の46%を占めていましたが、2016年には7.サービスに抜かれ2019年には20%まで減少しています。

一方、7.サービスは2008年の11%から2019年には33%を占める最大の産業となっています。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける産業別寄与度を表します。

(なお、データの変動が激しいため1年毎では変動が激しいため、5年平均を採用してます。また、ここでの産業GDPと一般的に用いるマクロのGDPとでは統計上の誤差により乖離が生じています。)

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

スーダンの経済成長率は2010年前半は4.4%、後半は2.8%と途上国では比較的低い水準です。

スーダンは1997-2017年まで米国による経済制裁を受けていたため、米国経済の恩恵を直接受けることはできず不安定な経済状況だったと言えます。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。(1.農業は右軸により表しています。)

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業は1.農業で1991年では全体の53%を占めており、2019年でも以前38%と就業者の1/3以上は農業に従事しています。

近年では5.商業・レストラン・ホテルや4.建設の就業者が増加しており、1991年から2019年ではそれぞれ11%から17%、2%から7%と拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は3,400ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は19,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は4.建設とほぼ同じ水準の1.農業であり労働生産性はわずか1,700ドル程度となっています。

 

さいごに

スーダンの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 産業別GDPシェアは1.農業と7.サービスは相反する推移をしており、農業は2008年から2019年では46%から20%へ減少。一方、7.サービスは同期間では11%から33%へ拡大。
  • 1997-2017年まで米国の経済制裁により、経済成長は比較的低水準
  • 就業者数シェアについては、1.農業は1991年から2019年で53%から38%まで減少
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業(19,000ドル)。一方もっとも低いのは4. 建設と1.農業(1,700ドルと1,800ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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